中丹広域振興局

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【福知山】エスペック株式会社 福知山工場 土田真奈見さん・大槻浩さん「楽しくパワフルなみどりのカーテン」

こんにちは!京都府立大学1回生の児玉裕一です。

今回は京都府中丹広域振興局と私が所属しているガクシンサークルと協力して、地域の魅力カタログ事業の一環としていくつかの企業に取材させていただきました。

(新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインでお話を伺いました。)

中丹地域に住んでいらっしゃる方には地元の魅力を再発見してもらい、その他の地域の方には中丹地域の素晴らしさをたくさん知ってもらえたら幸いです。

 

私が取材しました(取材学生プロフィール)

児玉裕一

児玉裕一(こだまゆういち)

京都府立大学1回生、京都府京都市出身。高校で生け花を始めて植物に興味を持ち、大学では農学について学んでいる。海や山に囲まれた中丹地域の自然に魅力を感じている。

 

今回は、福知山市にある『エスペック株式会社福知山工場』で「みどりのカーテン」の活動を行われている土田真奈見(つちだまなみ)さん、大槻浩(おおつきひろし)さんにインタビューを行いました。

土田さん

大槻さん児玉さん

環境試験器メーカーの『エスペック福知山工場』では、福知山市と協働して環境保護活動に力を注がれています。特に、ゴーヤなどのつる性植物を植える「みどりのカーテン」の普及活動では先導役を務め、東日本大震災被災地支援にも「みどりのカーテン」を広められました。

「みどりのカーテン」の始まり

―環境試験器メーカーである『エスペック福知山工場』で「みどりのカーテン」の活動を行うことになったきっかけを教えて下さい。

パートナーシップ

土田さん:福知山市には「福知山環境会議」という市民団体があります。その活動の中で子どもたちの環境教育を「みどりのカーテン」を使って行うプロジェクトができました。元々はエスペックとしてではなく、私が個人としてその活動に参加していたのですが、私のその活動が会社の経営層にまで話が届くようになり、「そこまで社会貢献活動を頑張っているのなら」ということで「環境教育推進グループ」という新たな部署が作られました。それが2009年に会社の活動として「みどりのカーテン」の普及活動をすることになったきっかけです。エスペックに「いかに環境に役立つか」というマインドがあり、昔から環境問題に対する取り組みを率先してやってきたからこその活動への参加であり、会社としてこの活動を支えてくれたからここまで続けることができました。

 

―地域の子供たちへの「環境出張講座」を行っておられる中で大切にしていることは何ですか?

小学生向け紙芝居

 

ゴーヤ先生と市長

土田さん:「楽しさ」を大事にしてきました。紙芝居を作って小学校でなぜ地球温暖化が起こるのかについてお話をしましたが、紙芝居をするならキャラクターが必要だな、ということで「ゴーヤ先生」が誕生しました。さらに、もっと小さな子供たちに広めるにはどうしたらいいのかなということで「ゴーヤダンス」も作りました。この「ゴーヤダンス」が子供たちだけでなく、市民全体を「みどりのカーテン」の活動に巻き込むきっかけづくりとして成功しました。

様々な形で愛される「みどりのカーテン」

―どんな植物を使って「みどりのカーテン」を作っているのですか?

大槻さん:葉っぱが大きくて蒸散作用が大きいゴーヤが多いです。海洋プラスチックが問題になっていることからヘチマをみどりのカーテンに使うこともあります。食べられる作物としてはキュウリや小玉スイカ、坊ちゃんカボチャなどを使ったこともあります。

 

―作った作物はどうされているのでしょうか?

土田さん:福知山の地元の方たちは結構ゴーヤを食べられる方が多いです。福知山工場で採れたゴーヤは従業員に向けて「ご自由にお持ち帰りください」と置いておくとあっという間に無くなります。会社のホームページにも育て方ガイドブックを掲載しておりその中にレシピを掲載しています。また、ヘチマをプラスチックのスポンジの代わりに使おうという取り組みも始めました。

エネルギー溢れる「みどりのカーテン」活動

―東日本大震災被災地でも活動を行われていたと伺ったのですが、どのような活動をされていたのでしょうか。

仮設住宅

土田さん:震災が起こった2011年にエスペックとして何かしたいと考えました。被災地の仮設住宅はプレハブタイプでとても暑く、夏の暑さを凌ぐために仮設住宅に「みどりのカーテン」を作ることを思い立ちました。被災地と全く繋がりのないところから様々な方のつてをたどり、京都府温暖化防止活動推進センターの担当者から、震災前から「ゴーヤを育てていた」という経験のある被災者が気仙沼市唐桑町におられ、仮設住宅へのみどりのカーテン設置に興味を持っておられる、というお話をいただきました。そうして仮設住宅の温熱環境を改善するための「みどりのカーテン」を住民のみなさんと一緒に設置することができました。この「みどりのカーテン」が真夏の仮設住宅に涼を届け、またカーテンのなかった仮設住宅の目隠し代わりになってプライバシーを守られることにも役立ったのです。その翌年からは気仙沼の小学校でも環境教育を行っており、今でもこの地域とは交流が続いています。

 

―この活動を行う上で大変だったことや苦労したことはありますか?

ゴーヤの苗

土田さん:基本は楽しんでやっていました。しんどいこともありましたが、仕事で嫌々やるという感じではなくライフワークのような感じでやっていました。5月、6月の土日はほとんど「みどりのカーテン」のセミナーでいろんな自治体に訪れて、飛び回っていました。平日には小学校での講義がギューッと入っていました。体力的にきついこともありましたが皆さんに喜んでいただけ、やりがいを感じていたので苦になることはなかったです。あとは会社の経営層からの支援と理解があったからこそ続けてこられたという側面は大きいです。取り組みを始めてから社内での理解も徐々に得られ、今では社員さんからの理解も凄く、社員の方々が自宅で「みどりのカーテン」をやっていたりして、ゴーヤの苗も大人気になりました。

エスペックの環境教育のねらい

―気候変動対策として最も大切だと思うことは何でしょうか?

エスペック取り組み

大槻さん:できるだけたくさんの人に温暖化の事実を知ってもらい、少しでも自分事にして自分の生活を変えようと思ってもらうことが大切だと思います。このままだと自分たちの将来や子供たちの未来の地球がどうなるのかを少しでも感じ、考えるということが大事です。そのような気づきをエスペックの環境教育では子供たちや大人の人に伝えられたら良いなと思っています。環境が問題になっていることは分かっていても毎日の仕事に追われて行動に起こせないことがほとんどです。だからこそ、「楽しくできること」から継続してやっていくことが大切であると伝えていきたいです。

 

取材を終えて(学生コメント)

エスペックさんが環境試験器を作るお仕事だけでなく環境に役立つ活動を率先して行ってきたからこそ、福知山の地域の人々と一体となってみどりのカーテンを全国に広めることができたということがわかり、環境問題にこれほど力を入れている企業の工場がこの福知山にあるのだということを多くの人に知ってもらいたいなと思いました。環境問題を「楽しくできること」から継続して取り組んでいく大切さを土田さんと大槻さんの力強い行動力から学ぶことができました。

 

プロフィール

土田真奈見さん
エスペック株式会社 サステナビリティ推進室 環境管理部 部長

大槻浩さん
エスペック株式会社 サステナビリティ推進室 環境管理部

 

エスペック株式会社

https://www.espec.co.jp/(外部リンク)

 

 

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