ここから本文です。
最新の熱中症警戒アラートの発表状況は、環境省ホームページ(外部リンク)をご確認ください。
暑さ指数(WBGT)は、Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略語です。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、熱中症を予防することを目的として提案された指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい「気温」、「湿度」、「輻射熱(ふくしゃねつ)(※)」の3つを取り入れた指標です。
注※輻射熱(ふくしゃねつ)とは、日差しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱のこと
暑さ指数の構成比率は、気温の効果が1割、湿度の効果が7割、輻射熱の効果が2割であり、温度よりも湿度や輻射熱の方が大きく影響します。湿度が高い場所では汗が蒸発しにくいため、身体から空気へ熱を放出する能力が減少してしまい、熱中症になりやすくなります。
注※環境省の「熱中症環境保健マニュアル」を参考に作成
暑さ指数(WBGT)と熱中症患者発生率を比べてみたところ、熱中症にかかる人は暑さ指数(WBGT)が28を超えると急に増えることが分かっています。
暑さ指数(WBGT)は労働環境や運動環境の指針として有効であると認められており、ISO(国際標準化機構)等で国際的に規格化されています。日本生気象学会では暑さ指数(WBGT)に応じて注意すべき生活活動の目安を、日本スポーツ協会では暑さ指数(WBGT)に応じてどのように運動したら良いかの目安を、それぞれ公表しています(2つの目安を1つの表にしたもの(PNG:183KB))。
また、これらに加え、令和3年4月28日から、環境省及び気象庁は暑さ指数(WBGT)が「33以上」と予測された場合に熱中症警戒アラートを発表しています。
温度基準 (WBGT) |
注意すべき 生活活動の目安 |
注意事項 |
危険(31以上) |
すべての生活活動でおこる危険性 |
高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
厳重警戒(28~31) |
外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | |
警戒(25~28) |
中等度以上の生活活動でおこる危険性 |
運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
注意(25未満) |
強い生活活動でおこる危険性 |
一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
暑さ指数 (WBGT) |
熱中症予防運動指針 | |
31以上 | 運動は原則中止 |
特別の場合以外は運動を中止する。 特に子どもの場合には中止にすべき。 |
28~31 | 厳重警戒(激しい運動は中止) |
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。 10~20分おきに休憩をとり水分・塩分を補給をする。 暑さに弱い人※は運動を軽減または中止。 |
25~28 | 警戒(積極的に休憩) |
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。 激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。 |
21~25 | 注意(積極的に水分補給) |
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。 熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。 |
21未満 | ほぼ安全(適宜水分補給) | 通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。 市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。 |
注※暑さに弱い人:体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人など。
お問い合わせ