丹後広域振興局

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大手川だより50号

変わりゆく大手川-改修工事の最盛期-

大手川の改修工事は平成18年に河口部の護岸工事に着工してから3年目を迎えております。現在、京都府の発注する工事で19箇所が施工中ですが、3月に新たに7工事を発注しました。これからの一年間が工事の最盛期になり、大手川が新しい姿に変わっていきます。

先日、工事現場で出会った地元の方々は、溢れにくい新しい川への期待と昔から馴染んだ風景が無くなることのさびしさの両方の気持ちを口にされていました。

下の写真は、工事前の大手川です。現在は新しい姿に変わっています。

これから季節が良くなりますので、散策などのおりに、変わりゆく大手川の風景を見られてはいかがでしょうか。

新しい年度も、早期の改修完成に向けて取り組んで行きます。引き続き工事の周辺住民の皆様には、騒音や振動などで御迷惑をおかけしますが、御協力を御願いします。

施工業者さん手作りのベンチが宮津小学校に設置されました

昨年の夏、中橋から京口橋の右岸側で護岸の取り壊しをしていると、昔の護岸の基礎として使われていた木杭が出てきました。


(出てきた木杭)

現在は、ほとんどがコンクリートや鋼製ですが、昔は胴木(丸太)を基礎に石積みしていたのです。慎重に掘り出してみると約4メートルもの長い胴木はどれもかなり良好な状態でした。

何十年も水の中にあったのに腐らないのかな? と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。木材は、空気・水・栄養・温度の4つの条件が揃ってはじめて腐食するため、地下水位以下の水中にあった丸太は直接空気に触れることがないので腐食することはないのです。

その後、施工業者さんがこの木杭でベンチを製作され、宮津小学校に設置されたという嬉しいお知らせが、2月末に校長先生から届きました。

掘り出した木杭はキレイに水洗いされ、乾燥・製材の過程を経て、立派なベンチに生まれ変わっていました!


(宮津小学校に設置されたベンチ)

「災害後の改修工事から出た木材で作られたベンチですから、災害を忘れない、地域を知る、といった意味で、価値あるものと感じています。子供たちにも、そんな思いを伝えていきたいです」と校長先生。

日頃から工事へのご理解とご協力をいただいている宮津小学校の皆さんに感謝の気持ちを込めて寄贈されたこのベンチ、校庭に2台設置してありますので、機会がありましたら是非座ってみてくださいね。

ちょっといっぷくミニ・コラム

北近畿タンゴ鉄道宮福線の福知山駅が新しくなり、2月28日から新駅舎で運行しています。皆さんもうご利用になりましたか?


(今福川を通過中の丹後ディスカバリー)

大手川と平行するように走る北近畿タンゴ鉄道宮福線。宮津駅から福知山方面に向かうときは是非、進行方向右側に座ってみてください!改修工事が進む大手川の様子が見えてきます。車窓から眺める大手川も新鮮ですよ。

市民から俳句が届きました

大手川沿いにお住まいの森谷陽子さんから俳句が届きました。

「秋出水 水かさ増して夜に入る 炎昼に響く復興工事かな」

台風直後の体験から進む工事の様子まで、災害後の大手川の移り変わりを多く詠まれています。大手川に関する皆さんからの作品やお手紙などもお待ちしております!

工事実施状況

河川用語集

水位計と河川テレメータ設備について

河川では、自然災害の発生などに備え、常に雨量・水位情報を監視・計測しておく必要があります。

目盛り板を取り付けた「水位標(量水標)」はひと目で水位を確認出来ますが、それだけでは24時間リアルタイムで監視できません。現地に行かなくとも、遠く離れた観測地点の最新の計測データを把握するための自動観測設備・システムが「水位計」 「河川テレメータ設備」です。

テレメータ(telemeter)の「tele」は「遠方の」という意味の言葉で、その名の通り、監視局から遠く離れた地点の雨量・水位を自動で監視・計測・収集します。

水圧から水位を計測する水晶式の「水位計」が一定の時間おきに測定し、そのデータは、観測装置や無線装置からなる「河川テレメータ設備」を経由し監視局にあるコンピュータに自動送信されます。


(京口水位観測所「観測局舎」)


(京口水位計)


(一般的な水位標)

水位計の設置場所は、感潮の影響を受けない地点でないといけません。

今は京口水位計のみですが、今回の改修工事に伴い、福田橋水位計と京口橋水位計の2箇所に設置することにしています。


(雨量・水位情報のイメージ図)

河川テレメータ設備と監視局のコンピュータによる「常時監視システム」で収集された大手川の雨量・水位の情報は、府内の他の観測地点のデータと共に、京都府のホームページ内にある「京都府河川防災情報」で一般にも公開されています。

もしもの時に備え、すぐに情報が得られるように、是非確認しておいてください。

編集後記

もうすぐ4月です。4月といえば、児童・生徒は新入学、社会人は新入・人事異動です。

丹後土木事務所に関していえば、例年、多くの職員の異動があり、退職される方には「永い間、ご苦労様でした。」、転出する人には「異動先でもがんばって」、新規赴任者には「ようこそ」といった感じで、それぞれ送ったり、迎えたりします。

その中で、今年度は災害対策室の東井室長が退職されます。

東井室長には、大変熱心に大手川改修に取り組んでいただきました。

特に、大手川クリーンアップ大作戦の実施や工事見学場所の設置など、精力的に新たな試みを実施されたことは、丹後土木事務所の職員に多いな刺激をもたらしていただきました。

その結果、府民目線での取り組みが従前にも増して実施され、内外からの評価をいただいたものと考えています。

私たち、府政にたずさわる者としては、諸先輩の行動を手本として、いつでも府民の目線に立って、分かりやすい情報の発信や府民のためになる取り組みを継続していくことが肝要と思っております。

今後も、様々な工夫を行う中で、より良い土木行政の推進や快適なまちづくりを目指して取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

追伸

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