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トリガイは、ホタテやアサリと同じ二枚貝の仲間で、北海道を除く日本各地の内湾域に分布しており、寿司だねとしても利用される高級貝です。
トリガイは高水温に弱く、水温が高くなると抵抗力が低下し、環境の影響(特に酸素不足)により死亡してしまうため、多くの地域では夏を迎える前に漁獲されます。しかし、丹後では夏を越えて2年近く生育するため、大型に成長することができます。そのため、丹後の舞鶴湾、栗田湾、宮津湾は、大型の天然トリガイが漁獲される、日本有数の優良漁場として知られています。
しかし、丹後で漁獲される大型の天然トリガイは、年によっては全く漁獲できないなど、豊凶の差が非常に激しいことから、大変貴重で高価なものとなっていました。
京都府農林水産技術センター海洋センターでは、大型のトリガイを安定的に供給するため、全国に先がけて、トリガイの種苗(稚貝)を大量生産し、育成する技術を開発しました。
(左:生産された稚貝右:約一年間育成したトリガイ)
「丹後とり貝」は、海洋センターで生産された種苗(稚貝)を、漁業者が、内湾(舞鶴湾、栗田湾、宮津湾、久美浜湾)でアンスラサイトという砂状の粒(石炭の一種)が入ったコンテナに入れ、約一年かけて丁寧に育成した京都府のブランドトリガイです。
「丹後とり貝」は、平成20年に公益社団法人京のふるさと産品協会が認証する「京のブランド産品」に水産物で初めて認証されました。また、翌21年には、特許庁の地域団体商標にも登録されています。
丁寧に育てられたトリガイは、大きいものでは殻長(殻の直径)が10cm程にも成長します。一般のトリガイと比べるとその差は一目瞭然です。
(左:丹後とり貝右:一般的なトリガイ)
「丹後とり貝」は大変肉厚で、歯応えが良く、独特の甘みがあります。このような大きなトリガイを安定的に生産し、提供できるのは京都府だけです。
1、開く
貝殻をスライドするように開き、丸みを帯びた足を取り出します。
2、さばく
包丁でひらいて内蔵を取り除き、10数秒間熱湯で湯通しします。(ラップを敷いたまな板の上でさばくと、黒い「ハク」がとれません。
3、出来上がり
熱湯で丸まった部分を丁寧に整えて出来上がりです。
「丹後とり貝」の出荷は、6~7月が中心です。売り切れ御免で短期間で販売が終了する場合もあります。舞鶴市や宮津市内の一部の料理屋、すし店では、予約をすればいろいろな料理にして提供していただけますので、「丹後とり貝」の美味しさを是非味わってみてください。
なお、舞鶴市観光協会(外部リンク)及び宮津市商工観光課(外部リンク)から「丹後とり貝」が食べられる店舗のマップが作成されています。
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