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開催月日:平成18年8月9日
開催時間:午前10時~12時
会場:平安会館
京都府における食の安心・安全の取組について
(概要は、下記議事概要の通り)
(五十音順・敬称略)
事務局から、審議会会長に中坊委員を提案し、全員一致で選任される。
中坊会長が着座し、審議会を進行。
京都府における食の安心・安全の取組について
(会長)
報告事項について事務局に説明を求める。
(事務局)
資料により、説明。
(会長)
現状、課題、それに対する具体的な取組と数値目標やその根拠について記述しているので分かりやすくなった。
(委員に、意見、質問を求める。)
(委員)
「きょうと信頼食品登録制度の運用にあたっては、京都ブランド食品などの既存の認証・認定制度との整合性を図る」とあるが、具体的にはどうするのか。
(事務局)
今回予定している登録制度については、既にある食品に関する認証・認定制度に屋上屋を重ねたものにしないようにと考えている。
この登録制度は、品質管理基準と情報開示基準を登録の要件としているが、既存の認証制度等の認定基準で、この登録制度の基準に合うものは、そのまま登録することを考えている。
つまり、既存の認定制度等で登録基準に合うものを横串にさして、府民に情報提供するとの趣旨であり、既にある食品に関する認証・認定制度を登録制度で応援していきたいと考えている。
今後、それぞれの制度の認定・認証団体と十分調整していきたい。
(委員)
京都には、「京都ブランド」、「地域団体商標」や食品産業協会が進める「京ブランド食品」などのブランドがある。
私どもの解釈では、京都ブランドはあくまで京都の長年の伝統・歴史に基づいた京都の美意識ブランドであり、京都のイメージをアップするものである。
地域ブランド商標は、業界に与えられる商標である。
「京ブランド食品」は、各業界において、各メーカーの代表商品が業界として品質面を含めて業界を代表するにふさわしい商品であるということを認定をしている。
それを認定委員会に申請し、そこで認定される。
「京ブランド食品」の認定事業に参加していただく企業はすべからく安心・安全管理プログラムに基づいて製造し、客観的に安心・安全な商品をつくっておりますということを裏付けとしていきたい。
府の制度はありがたいと感じている。積極的に制度に参画していきたい。
(委員)
登録制度について、審査機関が審査を行い一旦登録した後、検査などはどうなるのか。
(事務局)
申請があった時点で審査機関の方から検査員を派遣して検査を行い、その結果を審査機関に報告して審査会が登録基準に適合するかしないかを判断する。
登録後も、少なくとも年1回は、検査・確認を行うことを考えている。
(委員)
この登録制度は、3つ段階を経てレベルごとに登録することになっているので、第1段階をクリアーすれば次の段階にいこうという風に事業者の励みになればと思う。
ただ、各業種によって基準が違ってくるので、煩雑にならないか心配である。
また、条例ができて、この登録制度も含め新しい仕組みができている。
新しい仕組みの学習や現地視察などにより、新しい仕組みについてのイメージを持って、具体的な行動計画の審議に進む方が良いと考える。
(会長)
いろんなレベルの事業者があるので、段階を踏んでレベルアップしていくことにより、全体的にレベルアップを図る制度となっている。
各業種ごとの基準の違いによる煩雑さは、当初から想定した上でのことだと思う。
業種によって製造工程が異なるから「重要な作業工程」については、それぞれ食品ごとに設定することが必要である。
(委員)
この制度では、基本的にはHACCPの手法をとる。
どの食品の製造についても重要管理ポイントがあり、最低この事項だけは守っていただくと「一つ星」のレベルになる。
各業界ごとに重要管理ポイントが違うので業界ごとにマニュアルを作っていくことにしている。
現在、豆腐業界がモデル的に取り組んでいる。18年度は10業種を計画しており、専門家のご指導を受けて、マニュアルを作成していきたい。
(委員)
登録制度の30業種は、どのような業種なのか。
(事務局)
豆腐、漬け物、総菜、パン、缶詰など食品産業協会に加入されている団体の業種を中心に実施していく予定である。
(会長)
購入される方に、登録されていることをどのように分かるようにするのか。
(委員)
店頭に、登録食品を扱っていることを示す看板などを掛けたいと思っている。
(事務局)
併せて、食品の包装表示に、登録番号をつけ、分かるようにする予定。
(委員)
良い制度ができたのだから、「府民だより」や消費者団体の協力を得て広報すればと思う。
(会長)
広報も必要である。
(委員)
食の安心・安全の問題がこれだけ大きく取り上げられるようになったのは、マスコミが問題があったことを大きく書き、消費者の不安を煽っていることもあると思う。
登録制度のような良い動きは、マスコミはなかなか取り上げてくれない。
消費者にうまく伝わらないことが問題である。
また、法律とか審議会とか机上の理論になりやすい。例えば、ポジティブリスト制にしても厚生労働省が机上の理論として作ったものが実際の世界と合致していないため、農家の方が苦労されているのが現状である。
○○委員の発言のとおり、現場を見て審議していくことが大事だと思う。
(会長)
協議事項「京都府食の安心・安全行動計画の策定について」及び「策定スケジュールについて」事務局に説明を求める。
(事務局)
資料により説明。
(会長)
(各委員に意見を求める。)
(委員)
京都府民の食の安全・安心を確保するため、生産者団体として米のトレーサビリティや残留農薬中心にカドミウムも含めて50項目ほどの残留検査を抽出でやって出荷している。
京野菜などの野菜についてもトレーサビリティを実施し、農協の職員がきちっと生産履歴を記帳してるかを確認して出荷している。
このように府内産の農産物については安全性を考えているが、すべての京都の米を府民に食べていただいても半年分しかない。
野菜も、たくさんの他県産が入ってきている。
ほうれん草や枝豆などは、冷凍されたものが中国などの外国から入ってきて、外食産業を通じて府民に提供されている。
他府県産や輸入品について、アクションプラン中では除外ですよというのか、輸入品については、国の水際の検疫体制に任せてあるから京都産をきちっとやろうというのかを聞きたい。
(事務局)
委員意見のとおり、京都府産だけでなく国内の様々な産地のものが広域的に流通しており、さらに海外からの輸入農産物や原材料などもかなり流通しているのが現状であるが、京都府内産の農林水産物、食品について、きっちりやって府民の皆様に知ってもらうことから始めていく、つまり、我々ができることから取組を始め、その取組を広げていくことが大切と考えている。
行動計画の柱のうち、一つ目の「安心・安全の基盤づくり」は、生産者・事業者ががんばって安心・安全の基盤づくりを行う、それを行政として応援することとしており、そこでは、府内産について取り組むこととしている。
2つ目の「安心・安全の担保」は、行政が生産者・事業者の取組や流通している食品をきっちり監視・指導して、消費者の方に安心してもらうこととしている。
これは、食品衛生法や農薬取締法に基づく取組であり、府内に流通する食品を対象としている。
ただ現実の問題として、膨大な量が流通しているため、100パーセント行政がチェックすることは不可能なため、抽出検査を効率的・効果的に実施することとしている。
(委員)
「土壌の重金属の監視」の項目の具体的な取組は何か。
(事務局)
全国的に実施される土壌機能モニタリング調査として、農地におけるカドミウム含量などを測定している。
(委員)
行動計画案の第3章の計画の管理・公表における審議会による評価について、チェックの方法はどのような形で行われるのか。
(事務局)
行動計画について、年度別計画をつくり、計画と実績を数値で記載する。
実績又は実績見込みの数値で、評価いただくこととしている。
(委員)
具体的な取組手段やそのチェックは難しいと思うが、どうか。
(事務局)
審議会から意見を伺ったことが、施策化できるかどうかである。
意見をいただいても、すぐに施策化できるとは限らないが、改善に向けて努力していきたいと思っている。
(会長)
府民の安心感というのは、アンケートという形で安心感がどれだけ得られたかという評価手法もとりたいと考えているようだが、どのように実施していくかはこれから検討されることとなる。
(委員)
食の安心・安全行動計画に府民参画と言う言葉があるが、消費者もかかわる必要があると思う。
業界が頑張って安全な食品を作っていくのは当然のことではあるが、消費者も、どうせ買うのであれば、少々高くても安心なものを買いましょうというような、消費者も行動計画に参画していくような項目が具体的にあってもよいのではないか。
(事務局)
条例の中でも、消費者も一定の役割があるということで、府民参画を進めていく。
この行動計画は、京都府の取組を記載するものなので、消費者の参画については、府民の方に参画していただきやすい場の提供などを中心に書くこととしている。
しかし、助言いただいたことは、表現を工夫して記載することを検討したい。
例えば、表示の関係であれば、消費者団体の方が外食産業の調査に回っておられるということも聞いているので、提案いただければ書いていきたいと考えている。
(委員)
第2節に行政による監視が書いてあるが、生産者自身によるチェックとの関係をどのように考えているのか。
(事務局)
条例に、「食品関連事業者は、自らが食の安心・安全の確保について第一義的責任を有していることを認識し」と記述しているように、生産者自身による管理がまず大前提です。
その上で、行政がチェックして、それを情報公開することにより、消費者に安心してもらうとの考えである。
(委員)
この行動計画の中で一番大事なことは、「安心と安全は違う」ことを前提に、生産者や事業者の努力をどのように見えるようにするか、そして、消費者が評価、支援をしていくかということだと思う。
第3節の信頼づくりについては、文書にするとこのようになるが、これをどのように施策展開していくかが重要だと思う。
第3節をいかに豊かにしていくかであり、具体的なセミナーの計画もあるが、実際に、現地を見て意見交換できればいいのではないかと考えている。
こういった機会が増えればと良いと思っている。
この3年間でこういう制度が動き始めたということを消費者に知っもらうこと、そして、消費者がしっかりサポートしていくということが一番大事ではないかと思う。
(委員)
コンプライアンス推進を第3節の信頼づくりのところに加えてほしい。偽装事件もあったので、事業者もコンプライアンスについて、頑張っているのだということがわかるようにしてほしい。
(委員)
農産物については、農薬取締法や食品衛生法でカバーされているが、その上にこの条例ができて、農家は、使用農薬を頑張って記帳している。
一方で、今栽培してる野菜に使ってはいけない農薬であることを知らずに使用した場合も、記帳しておれば分かる。
そういうものは、出荷できないというリスクが出てくる。必ずその最後のリスクは農家にかかってくるので、この条例の徹底をきちっとやってほしい。
京野菜などは、他県産のものもあるが、府内ではやっぱり安全な京都府産を食べてくださいという、地産地消についても、別の場で力を入れて欲しいと思います。
それともう一つ、食品のこの登録制度を京都府産に限っていくことについては、それでいいんでしょうけれど、いくら立派な技術で衛生的に作っても、最初の原材料も食の安心・安全でないと、製品の安心・安全が確保できないので、努力目標としてでも、原材料の安全性確認というようなことについては、検討すべきことだと思う。
京都産を全部使っていただくのが一番嬉しいのだが。
(委員)
3か年計画で結構なのだが、日本の伝統的な食生活が失われつつあり、食を通じての精神的な退廃というのも考えられる。
食育を推進することで、食の安心・安全運動というものが安心・安全プロジェクトの独自の運動に発展していくと考えている。
(会長)
この行動計画は、京都府が策定するんだけれども、府民全体の盛り上がり、あるいは関与という意味では、今の発言のように、食品だけではなくて、生活や京都の伝統などを一体的に推進するような事業ができれば、この食の安心・安全という府民全体の動きが盛り上がるのではないか思う。
(事務局)
京都府がやることだけに狭くとらわれるのではなく、府と各団体が連携して実施する内容についても、計画に盛り込むことは可能である。
委員の意見を取り入れ、充実したものができるように努力をしたい。
それと、京都府の食育推進計画を本年度作成することで、食の安心・安全プロジェクトで進めている。
(会長)
信頼づくりのところをもう少し充実させる、具体的には、府民参画を充実させるという意見があった。
(委員)
府民参画については、やはり現場と交流することが、一番だと思う。
やはり消費者に現場へ来て、見ていただきますと、われわれがもう当たり前だと思っとるところを全然違う観点から意見がでると、非常に参考になる。
(委員)
最近、アメリカ産牛肉の輸入再開が話題になっているが、食肉関係の事業者の方は、食肉の安全性を確保するための取組を一所懸命している。
一所懸命頑張ってる人たちの姿が、消費者によく分かるという、PRされるということも非常に大事なことだと思う。
食べるということと、健康ということとのつながりを一緒にやっていただければと思う。
安全なものを一所懸命作りながら、さらに食べ方を考えれば、みんな元気で病気にならずに長生きできるというストーリーができれば良いと思う。
(会長)
その部分については食育推進計画で実施してただきたい。
行動計画の枠組みについてはこういう形で了承するということで良いか。
基本的な考え方をやはりきちんと書いていただいて、府民に分かりやすい形で記載していただく、それから施策展開の方向性の第2章のところでは、第3節のところをもう少し肉付けして、それで最後に行動計画については少し評価項目についても検討してもらうことで了解するということで、皆さんよろしいでしょうか。
(各委員了解)
以上
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