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平成20年11月28日(金曜日)午前9時30分~12時
平安会館 白河の間
上記資料は、各委員の意見等を踏まえ、修正したものを掲載しています。
『鴨川河川整備計画(原案)』及び『水辺の回廊整備・鴨川創造プラン(中間案)』について了承を得た。
【委員】
河道満杯評価高はどういった基準で決めているのか。
【事務局】
通常だと護岸高で決めるが、護岸が低い箇所もあるため、地盤高で設定している。
【委員】
通常、水面のうねりや流木などに備え、余裕高は1から2m程度確保されるべきだと思う。よって今の状態は十分な安全とはいえないが、整備計画での優先度としては理解できる。最終的にはHWL(計画高水位、図上で赤点線で表示したもの)を目指すべきである。
【委員】
計算水位で用いられている毎秒1,000立方メートルはどのような位置づけとなっているのか。
【事務局】
荒神橋地点における概ね30年に1回発生する確率の降雨による流量であり、この流量を河川整備計画の目標流量として考えていきたい。また、鴨川に必要な余裕高は1.0mとしている。
【委員】
堤防や橋梁は現況のままで考えているのか。架け替えることで治水安全度を上げることも考えてはどうか。
【委員】
橋梁を架け替えたり橋脚の数を減らしたりすることは治水安全度を上げることに対して有効であり、鴨川でも、近年、JR橋梁の架替を実施している。橋脚に流木等が引っかかり、橋自体が流されるという事例もあるので、将来的には改築を進める必要があるが、三条大橋などは簡単には改築できないという問題もある。
余裕高1mとは、HWLからの高さと考えて良いのか。それは堀込み河道となっている区間では地盤高から余裕高を減じたものとして設定しているということで良いのか。
【事務局】
鴨川の場合、橋梁が多いため、どうしても厳しい箇所は架け替えも考慮しているが、周辺の地盤高と、既設橋梁の桁高さを考慮してHWLを設定している。
【委員】
荒神橋上流では無次元掃流力τ*(タウスター)が小さい値であるが、河床材料が粗いと考えて良いのか。
【事務局】
そのように考えている。
【委員】
中州管理について、中州の植生は流下能力に影響するのか。
【事務局】
草による流れの阻害も含めて、モデル上で影響を調べた結果、大きな影響はないと考えている。
中州の管理については、治水安全面から見て、断面が確保されているかどうかを第一に考えている。二条から七条の区間は、今の計画規模で考えても余裕がないため、断面確保を厳格に行う必要があると考えている。
二条から上流では、現状で評価しても若干余裕がある。七条より下流では、河床が低下傾向にあり、改修により河床掘削を行うと中州が発生しなくなる可能性もある。
【委員】
無次元掃流力(τ*)が二条大橋上流で低いのは、どのような意味なのか。
【事務局】
無次元掃流力(τ*)は、流量と河床の粒径によって決まってくる。よって、二条大橋上流は粒径が大きく、また、出町より上流は、二本の川に分かれ下流よりも流量が小さいため、掃流力が低くなっていると考えている。
【委員】
昔の鴨川の写真を見ると、レキ河原となっている。これは植物が育つ前に土砂が流されていたためである。現在は、砂防により土砂供給が減ったため、土砂の入れ替わりがなく、固定化したと考えられる。今の中州の状況は景観上よいものなのか。
【委員】
草が茂って水面が見えない箇所は、景観的にも好ましくない。鴨川は洗練された都会のイメージがある。ただし、治水上の安全が確保された上で、景観の話があるべきだと思う。その意味では様々な条件がある中で、順応的管理という考え方は適切であると思う。
【委員】
中州の草を刈ったあと、その草が下流に流れ、堆積していると聞いた。定期的な維持管理とはどのようなものなのか。
【事務局】
最近は七条あたりで「トビゲラ」対策として、夏場に河床整正している。また、日常的には、堤防や中州で除草を行っている。中州では野鳥や魚類への影響を考慮し、茎を50cm残して除草している。刈り取った後の草は河川の外に持ち出している。
中州の管理については、野鳥の会にも説明を行っており、この後の府民会議でも漁協関係者も交えて、議論する予定である。
野鳥にとっても水面が必要であり、陸地化は好ましくないという意見もある。また、寄州は不要だが、産卵等生息の場としてネコ等の天敵から守られる中州は必要という意見もある。よって、管理サイクルを概ね10年と考え、景観や環境、利用等様々な観点からの意見を頂きながら、工夫を重ねてその方法を確立していくという順応的管理を考えている。
【委員】
基本的な考え方は賛成である。昭和40年頃は河川には草はほとんど生えていなかった。雨の降り方が変わったことも原因と考えている。
中州については、いつ頃の状況を「良い」と考えるのかとの観点も必要ではないか。また原案では野鳥がとりあげられているが、ヘビやトビゲラも生態系の一員であり、どういう状況の生態系を良いと考えるのかの議論も必要ではないか。中州だけでなく、堤防そのものにも本来の生態系があったと思う。
【委員】
鴨川条例や府民会議では、河川の洪水対策が基本であるとした上で、鴨川を都市公園に準じた空間として考えようとしている。このことは、野放しの自然や生態系ではなく、人が管理した自然や生態系とすることを意味する。ただし、どれだけの自然を許容するのかは議論が必要だと思う。
【委員】
基本的な考え方は賛成である。都市公園に準ずる空間にする場合に、どのような自然を残すのか、環境や景観も考慮したビジョンが必要だと思う。
【委員】
陸地化が大きく進むと植生の影響で水の流れに対する抵抗が大きくなり、流下能力にも影響が出ると考えられる。
【委員】
古文書をみると、昔は五条周辺の中州に寺院等もあったようだ。中州の植生や生態系、景観等を検討するため、モデル地区を設定して集中的に研究してはどうか。
【委員】
中州管理については、試行錯誤を繰り返しながら、自然や景観にとってより良いやり方やサイクルを検討していきたい。そういった意味で、二条大橋上流をモデル地区としていきたい。
鴨川河川整備計画原案について(事務局から説明)
【委員】
PDCAサイクルという記載があるが、一般的でないので日本語で記載する方が分かりやすい。
【事務局】
全体を通して、注釈やルビを工夫したい。
【委員】
12頁の2行目に、中州の景観にも配慮する旨の記載を入れて欲しい。
19頁でバーベキューに関する記載があるが、鴨川条例では迷惑行為として位置づけてきたものであり、削除するか、言葉を変えた方が良い。
20頁の高水敷の整備イメージ図で、芝生がモザイク状になっているが、一定幅にする方が良いのではないか。
22頁の油小路線の延伸の部分で、高速道路の橋脚は景観に大きく影響するものなので、河川区域内だけでなく近隣の空間整備にも配慮してもらうことを要請するという表現を追加してはどうか。
【事務局】
20頁の高水敷の整備イメージ図は、自転車のスピードが出過ぎないように配慮した案を示しているが、直線的なものなど複数案を検討しているところである。
【委員】
1頁で「人口は土地利用と同じく増加」とあるが、表現を変更したほうがよいのではないか。
13頁で「イメージの拡大」は「イメージの向上」ではないか。
また、下流で河床が下がっていると説明されたが理由を教えて欲しい。
【事務局】
昭和30~50年に砂防堰堤の整備が進められ土砂の供給が少なくなったこと、また、流れてきた土砂も上流部で留まる傾向であることから、下流部まで土砂が流れず河床が低下していると思われる。
【委員】
河床の低下傾向は一般の河川で言われている現象と同じか。
【事務局】
流域全体で土砂供給が減少したことに加え、鴨川では流路を安定させるために設置された落差工があり、下流ではその数が少ないことが原因と考えている。
【委員】
基本的に内容は良いと思う。一般に人が多く集まる場所は整備後も維持されるが、人があまり集まらない場所はいずれ荒れてくる。よって、ハード面だけでなく、ソフト面で人を集めることも考える必要がある。
【委員】
四条付近の利用等は現状で親しまれており、それを維持するという考え方もあるのでは。
【委員】
景観面で京都らしさや、地域特性をとり入れてほしい。
【委員】
下流は工業地帯が多くなかなか人が集まりにくいところである。また、整備に伴い人が集まるようになると犯罪も併せて持ち込まれることが懸念される。防犯面での留意点等について、地域住民と話し合う場が必要と考える。
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