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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
こちらは、京都府庁のホームページです。アトモフ株式会社のホームページではありません。 |
(掲載日:令和3年3月23日、文:ものづくり振興課 岩橋)
アトモフ株式会社(外部リンク)が開発されている、壁に掛けるだけで世界の風景を楽しむことができる「Atmoph Window」が、ウォルト・ディズニー・ジャパン(株)監修のDisney、STARWARSモデルも加わった「Atmoph Window2」として、新たにリリースされました!
(本製品は府・(公財)京都産業21の「京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業(外部リンク)」も活用して開発されました)
特徴は以下のとおりです。
Disney、STARWARSモデルの開発にあたっては、それぞれの映画のワンシーンの静止画からCG映像を制作されています。
非常に細部にまでこだわられており、例えば「ライオン・キング」では、一本の木の静止画からいかに自然に枝や葉を動かすことができるのか等を何度も何度も試行錯誤された結果、草の動きで目に見えない風の強さを表現し、大地に落ちる雲の影からゆっくりと流れる雲の動きを自然と感じることができ、まるでその世界にいるかのような錯覚に陥るCG映像となっています。
映像の情景と合わせて編集されたこだわりの心地良いサウンドも一聴の価値ありです!
アトモフ株式会社(外部リンク)が一切の妥協をすることなく、こだわり抜いて開発された「Atmoph Window2」。ぜひお試しください!
(掲載日:平成29年3月10日、聞き手・文:ものづくり振興課 恩地)
アトモフ株式会社(外部リンク)(中京区)の姜社長にお話をお伺いしました。
―企業の概要について教えてください。
姜) 当社は、京都市北区において、平成26年(2014年)8月に創業しました。
それまでは、任天堂でネットワークサービスやユーザーインターフェイスなどのシステム開発を行っておりました。
その時の同僚で現在の共同創設者である中野恭平に、「アトモフウィンドウ」の試作品を見せたところ意気投合し、共同で事業を展開しております。その後社屋を中京区に移転し、7名の社員で「アトモフウィンドウ」の開発をおこなっています。
―その「アトモフ ウィンドウ」とはどのような製品ですか?
姜) コンピュータを内蔵した「窓型」のディスプレイで、世界の風景映像が流れることによって、部屋にいながらまるでそこにいる臨場感を演出するプロダクトです。映像は全て独自に4K撮影した動画とサウンドで、クラウド経由でストリーミングされ、1日の時刻や環境に応じて風景も変化していきます。操作は近接センサーやスマートフォン、Apple Watchから可能で、時計や天気、カレンダーなどと同期することで、日常を少し便利にしてくれます。予め備わった映像以外に、「風景ストア」で提供する世界各地で撮影した500以上のコンテンツから映像も簡単にダウンロード(購入)できます。テレビやスマホのような情報の主張はせず、生活に寄り添い潤いや広がりをもたらすプロダクトです。
―製品のデザインなどおしゃれですね。どのような工夫をされましたか?
姜)どんな部屋にもしっくりと馴染むように、ディスプレイのフレームは、木目調やモノトーンでシンプルに仕上げました。さらに、窓枠らしく奥行きを醸し出すよう、検討を重ね、厚みは55mmに。そして壁に傷をつけるのを嫌う日本の住宅環境でも壁掛けで使えるように、細い釘や石膏ボードのピンでも支えられる4.9kgまで重量を抑えました。
―なぜこのような製品を開発しようと思われたのですか?
姜) 10年以上前、アメリカへ留学していた時に住んでいたアパートの部屋で閉塞感を感じておりました。その原因は、窓からはいつも隣のビルしか見えないからだと気づきました。その時に窓から広がる自然が見えたらいいなという想いがありました。
それから時が過ぎ、デジタルディスプレイや4K技術が普及し、価格が落ち着いたので、「デジタル窓」の実現に可能な環境が整ったと考え、自宅で窓枠になる木をのこぎりで切ることから試作品づくりをはじめました。
―製品づくりにあたりどのようなことを心掛けておられていますか?
姜)デジタル窓であるため、壁と密着し、木枠と接するディスプレイの奥行きの採寸から高画質の映像まで細部にわたる行程でいかに窓として感じ、開放感の得られる空間をつくれるかを設計や試作の時に何度も検証しました。例えば、普通のテレビやディスプレイは、背面側が膨らんでおり、そこに冷却ファンなどの冷却装置が入ってますが、アトモフウィンドウは、壁と密着することが前提のため、いかに温度を逃がし、窓と感じられるものにするために注力しました。製品としての安全性はもちろんのこと、世界中の多様な方に受け入れられるようデザインは「シンプル」「クール」をコンセプトのひとつとしております。また任天堂時代の経験値として、世界中のさまざまな子どもから高齢者までがスムーズに使える操作性を大切にしています。
提供する映像については、自社のビデオエディターやプロカメラマンが世界各国の素晴らしい景色を4Kカメラと高性能マイクで撮影に回り、風景映像とサウンドを独自に制作しています。コンテンツの制作についても、社内で徹底的に議論を行っており、空間演出のクオリティを追求しております。
―類似製品や後発企業との差別化をどのようにお考えですか。
姜) 壁掛けディスプレイに風景やアートを映すという類似製品はすでにあります。ただ、これらは額縁の置き換えで、アトモフウィンドウのように「窓」というコンセプトのものはない。4K映像の実物を見ていただかないと伝わりにくいですが、実物を見ていただくとみなさまに「窓」を実感していただけます。 また、製品の製造のコストやデザイン面での差別化は難しいですが、製造については、生産性を高め、コストダウンを図り、よりデバイスを普及させていかなければと思っています。 今後いま世界で起きていることを、リアルタイムに体感できるライブストリーミング機能や自分で撮影した動画をブラウザからアップロードするだけで、思い出の故郷の景色や旅先での素晴らしい景色を部屋に持ってくることができる機能も標準装備し、独自性を創っていきたいです。
―資金調達手法で話題になった件をお教えください。
姜)当社では、過去にアメリカのクラウドファンディングサービスのKickstarterで目標額10万ドルに対し、16万ドル(約2,000万円)、日本のクラウドファンディングサービスであるMakuakeでは、100万円の目標額に対し、約670万円の応募をいただき、国内外からの評価で「このような商品が欲しかった」との潜在ニーズの高さを実感することができたとともに、商品へのアドバイスをいただける応援顧客のみなさまと出会うことができました。意外だったのは、景色の素晴らしいハワイに住んでおられている方から都会の風景が見たいと注文があったことです。クラウドファンディングのおかげでさらなる開発や製品の量産などを行うことができています。
―今後の展開について、教えてください。
姜) 現在は、受注した商品を納品すべく、協力工場に量産をお願いしています。海外や企業様からは、現在の27インチサイズよりも大型サイズの生産の御要望をいただいており、大型サイズの製品の開発を予定しています。ホテルや不動産業や大手百貨店とのお取引いただいておりますが、さらにアトモフウィンドウの認知度を上げるためプロモーションや住宅・ホテル・飲食業との提携を通じて製品の魅力を発信していければと考えています。
また、それぞれの風景にはご当地の歴史や観光情報が見られるようになっており、美しい風景を目的に旅行される方をターゲットにした観光業との提携により京都府の自然や寺院の映像を世界に発信し、観光客の増加にもつなげていきたいと考えております。
これまでになかった「デジタル窓」の市場規模を拡大し、近い未来には、アトモフウィンドウが自宅や職場などに当たり前にある、過去を振り返った時に未来を先取りしていたものと言えるものを制作していきたいと思っています。
京都品質の他分野進出も進める、同社の将来性に注目です!
【アトモフ株式会社の社員のみなさま】
中央の男性が姜社長、右から2番目の男性が共同創設者の中野恭平さん
アトモフ株式会社 お問い合わせ先 contact@atmoph.com
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