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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成29年4月25日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
Uターン就職を応援する独自の給付型奨学金制度を創設された株式会社ウエハラ(綾部市)の福永総務部次長様にお話をおうかがいしました。。
―まず、御社の概要を教えてください。
福永) 1960年に創業し、住宅資材・住宅設備の卸・小売、住宅パネル・サッシの製造、不動産業、介護用品レンタル事業等を行っています。
―住宅資材・住宅設備の卸って、同業他社もたくさんいらっしゃるのですか?
福永) いえ、そういうわけでもありません。福井県、京都府北部、兵庫県北部地域で、最初に始めたのが当社で、現在、このエリアの大半を占める数百社の工務店様とお付き合いしております。
―すごいですね!
福永) 合板や石膏ボードなどの、いわゆる「新建材」やアルミサッシ、耐震パネル「プレカットパネル」も、このエリアで最初に取扱いました。アルミサッシやプレカットパネルは、自社で製造もしています。また、これらの事業のお客様である工務店様のお仕事をスムースに進めていただくため、不動産業も始め、土地を探してご案内する、そして当社の資材等を使っていただくというように、総合的に展開をしています。現在、太陽光の売電の関係の住宅設備の需要が多く、3年前までは社員数も50名に満たなかったのですが、現在は60名以上にまで増えております。
―そうして社員数も順調に増えてらっしゃるのに、今回のような給付型奨学金制度を創設されたのは、どうしてでしょう?まず、制度の内容を教えてください。
福永) 京都府及び兵庫県北部出身者を対象に、専門学校や大学で意欲的に学業に励んだ後、卒業後はUターンして当社に就職することを条件に、入学から卒業までの期間、毎月5万円の奨学金を給付するというものです。学校入学後、毎年2回、勉強の内容やクラブ活動の様子、生活の状況等の報告を行うとともに、卒業までの間で、当社にインターンシップすることも条件です。
―ということは、給付総額は、2年制学校で120万円、4年制学校で240万円にもなりますね。
福永) 2年制学校で3年6ヶ月、3年制学校で5年、4年制学校で6年勤務すれば、それらは全額返済免除になります。
―学生にとってはすごくいいじゃないですか?!就職は先に決まってるし、就活に時間をとられることなく学生生活に専念できるし、おまけに奨励金もいただけて、親としても助かる!
福永) そうですね。学生も大学等の卒業前になると就職活動に負われ勉強の方が疎かになりがちですので、この制度で本人のスキルアップに繋げてもらうとともに、保護者の方々の負担の軽減も図りながら、若い人たちに北部にUターンして当社に入社いただき、地域の人口減少に歯止めもかけられればという思いです。
―しかし、御社にとっては、リスクも相当ありますよね?例えば4年後の新入社員を予め決めるわけです。若い方々故に4年間でどう変わるか分かりませんし、今より良くなるという保証もありません。しかも奨学金の負担をして。なぜ、これほどのリスクを取ってまで実施されるのでしょうか?
福永) それだけ新卒者の確保が難しいということです。そして、当社の独特の事情として、一人前になるのにとても時間がかかるということがあります。単に材木だけを売るなら簡単かもしれませんが、工務店さん向けに資材を販売するということは、建築されようとしている建物の全体をよく把握、理解して、それに最適なものをご提案出来なければなりません。サッシを入れてみたら3mm隙間がありましたなどということはあり得ないわけです。1軒1軒同じ建物はありませんし、毎回異なるお客様のオーダーに応えていくには、図面が読めて、建物一軒分の見積もりができるくらいに全体が見渡せるところまで到達しないと、営業もできないわけです。このように下積みに長く要するので、若い人が途中で挫折するのです。他社で働いている同級生が「もう営業廻っているよ」などと話しているのを聞くと、それと比べて焦ってしまったり、当社の育成システムを不審に思ったり、若い故にしてしまいます。営業できるほどになるのに3年はかかりますから、奨学金制度の免除条件を、2年制学校で3年6ヶ月としているのです。
―そうなのですね!単に資材のことや最新の住宅設備のことだけでなく、建築設計から現場施工のことまで幅広く知っていなければできないのですね。だから、そもそも他社が簡単に参入できるものではないわけですね。なるほど!
福永) 建築士の資格を取得した子も中にはいます。当社としては、じっくりと学んでくれればいいと考えています。
―今回、来春大学等に進学する人が対象ですよね。どういう人に来てほしいですか?大学等での専攻も問わないのですよね。
福永) はい、学部、学科など問いません。とにかく元気で、積極的な人がいいですね。何でも進んで行う、チャレンジ精神の持ち主。当社の社長がそうなのです。とりあえずやってみよう、失敗したらしたでまた考えればいいじゃないか、という感じの人なのです。とても懐の深い社長です。
―会社のモットーはどういったことでしょうか?
福永) 常にバランスを重視していると思いますね。当社の「経営理念」にも、健康、家庭、経済の調和といったことが掲げてありますが、例えば、社員、その家族、そしてお客様、こうした調和、バランスですね。あるいは、ノルマを厳しく課すということは敢えてしていません。そうして追い込むことでモチベーションが上がるとは考えていませんし、むしろ積極的にチャレンジしてくれればということです。
―今後の展望はいかがでしょう?
福永) そうですね。エリアを拡大していきたいですね。南部地域など進出していきたいと思っていますが、そのためには、もっと当社自身も実力を付けていかねばなりません。新しいメンバーには、将来会社を支えてくれるようになっていただきたいと思っています。
とても素晴らしい今回の奨学金制度。同社の今後の発展とともに大変楽しみですね。
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