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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。
(掲載日:令和2年6月4日、ものづくり振興課 足利)
株式会社鳥政本店(外部リンク)(京都市南区)の近藤聡美代表取締役専務様と西村宏部長様にお話をおうかがいしました。
--元治元年創業とのことですが。
近藤)京都で一番古いと思います。「元治」という元号は元年しかないんですよ。1864年でして、「蛤御門の変」があった年です
--随分な老舗でらっしゃるのですね。
近藤)北大路魯山人も、鶏について「京、大阪がいい。わけても京都の鳥政の肉はいい。」と書いてくださってるんです。
--おお!
近藤)鶏肉一筋でやってきました。現在約30名体制で、ホテル、外食産業、病院、学校(給食)に卸しているほか、錦店で小売りをしてます。ホテルは京都市内の6割ほどに卸していますし、学校給食はもう50年以上になりますね。
--すごいのですね。工程はどうなっていますか?
西村)昔は、当社内でさばいていましたし、鶏も飼っていましたが、今は衛生管理の観点から、さばく工程は産地に任せ、社内では残骨処理やカットを含めた最終工程を行っています。
--そうなのですね。御社の特徴は?
西村)様々なご要望にお応えできるラインナップ、対応力です。例えば、フレンチなど洋食系のスープのダシでは脂肪分の少ないオスの親鳥が、中華料理では逆にメスの親鳥が主に好まれることが多いです。使用される用途により業界では鳥の足を「もみじ」と言っているのですが、料理人によってはこの「もみじ」にも細かい注文がきます。
--そうなんですか。
西村)ブロイラーだと、餌を食べだんだん肥えてくると、動かずじっとするようになります。すると、足に黒いタコができます。それを削いでおいてほしいといった注文をされるケースもあります。
--ほう。
西村)あるいは、鳥の足は、黄色い手袋のような膜で覆われているのですが、それを剥いできれいな白い見た目のものがほしいといった注文もあります。こうした様々なオーダーに応えられるよう、豊富なラインナップを揃えているのです。
--そうなんですね。銘柄等だけでなくいろんなニーズがあるんですね。スーパー等で売っている食用肉がメスの親鳥だということくらいしか知りませんでした(笑)
近藤)あるいは、細かい加工を施すこともあります。病院様や老人ホーム様のお客様によっては、カットの大きさ、というか重さをグラム単位でオーダーされるケースもありますので、全て当社で対応しています。料理人の方からも、様々なオーダーがありますよね。そういう意味で、当社は「セカンド厨房」「プレキッチン」の役割を果たしているのです。
--なるほど。
近藤)家族の在り方の変化による個食化、女性の社会進出による料理の在り方の変化、その他多様な働き方による食事の仕方の変化など、「プレキッチン」としての役割はますます高まっていくものと思っています。
--そうですよね。最後に今後の展望についてはいかがでしょうか。
近藤)今後は様々な業種の企業様とコラボレーションしていきたいと思っています。これからのWITHコロナ時代においては、例えばネット販売や冷凍配送事業も拡大していく必要がありましょう。パッケージの工夫も必要でしょうし、ご家庭の皆様にレシピやメッセージを届けるといったことも必要です。そうして多くの方々の「プレキッチン」として身近な存在でありたいですね。
今後の展開が楽しみです!
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