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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成30年2月2日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
TakumiVision株式会社(京都市)の企画部・高田さんと開発部・片上さんにお話をおうかがいしました。
―まずは御社の概要から教えてください。
高田) 2005年設立、現在6名体制で、画像処理アルゴリズム、画像処理システムの開発・製品化等を行っています。
―画像処理アルゴリズムと言いますと。
高田) 例えば、防犯カメラやデジタルカメラ等に応用される顔認識技術であったり、霧、逆光、暗闇等の不鮮明画像を鮮明化する画像処理フィルタ、それをより発展させ、特定の物理量や微弱テクスチャを強調するフィルタであったり、様々です。
―特徴はどういった点でしょうか。
高田) そうですね。画像アルゴリズム、ソフトウェア実装、検知アルゴリズムに精通し、これらの組み込みが得意ということです。不審者検出システムやナンバープレート検出システム、動体検知・行動認証、ジェスチャー認識等、応用分野は様々です。
―組み込みですか。
高田) 自社でも超小型センシングモジュールを開発しました。このモーション・センサを使うと、ハンド・ジェスチャーによる機器のコントロール操作が簡単に実現できます。
―モーション・センサですか。センサと言えば、人を感知する人感センサはいろんなところで見かけたりしますし、最近ですと高性能カメラで撮影して体の動きでゲームを操作したりとか、いろいろありますよね。
高田) そうした、人を感知できるだけのローコストな人感センサと、コンピュータを使って高精度なモーションキャプチャの処理をするハイエンドタイプのモーション・キャプチャ・システムの中間のところを狙ったものです。
―そうなのですね。特長は?
高田) まず、当社独自アルゴリズムを最適化してモジュールに実装し、小型・高速・低消費電力を実現しています。そして、超小型モジュール内だけで認識処理が完了しますので、当然、結果を出力することもできますし、様々なアプリケーション開発も容易にできます。例えば、非接触のスイッチを構成することもできます。
―非接触のスイッチですか?
高田) 例えば当社製品「Hand Mouse」では、手の動きだけで、映像の中のものを動かしたりできます。
―これ、むちゃむちゃおもしろいですね!ゲーム等への応用もできそうじゃないですか?!マンガの世界の架空のアクションを、実現できちゃったりして、楽しそうです!
高田) そうかもしれませんね(笑)おもしろい使い方のアイデア募集中です。モジュールの中身の処理を入れ替えると、手のジェスチャー認識以外にも、機械学習を利用した顔・目の検出やアイ(目)・トラッキングなど、いろいろなことが実現できます。
―他にはどんなものがございますか?
高田) 撮影した動画から、従来のクロマキー合成は使わずに、すなわち、撮影時の背景を除去して、人物を切り抜く技術を開発しました。ノイズの少ない綺麗な映像を簡単に切り出せるのが特徴です。
―クロマキー合成って、特定の色を透明にし、そこに別の映像を合成する技術ですね。人の肌と被らないよう、グリーンやブルーのシートの背景にすることが多いのですよね。
高田) はい。しかも、リアルタイムで、かつ背景合成だけでなく音声合成も可能です。デジタルサイネージや合成カラオケ等にも適用できますね。
―すごいですね。
片上) 何より、当社の培ってきた画像認識技術により、輪郭をはっきり正確に表現することが可能です。
―素晴らしい。では、最後に今後の展望についてはいかがでしょう。
高田) そうですね。例えば、工場等へのカメラの画像処理の展開をもっと進めたいですね。画像処理を利用した自動化や製造ラインの作業効率の改善等にも活用できると思います。また、先ほども自社製品を例示しましたが、こうしたパッケージ商品化は進めていきたいです。さらに、機械学習やディープラーニングの活用等にもどんどん取り組んでいきたいですね。
今後の展開が楽しみです!
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