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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:令和2年7月10日 ものづくり振興課 足利)
高槻電器工業株式会社(外部リンク)(久御山町)の取締役事業管理部長の山崎様と同部真空管事業チームマネージャーの藤岡様にお話をおうかがいしました。
--まずは改めまして御社の概要を教えてください。
山崎)設立は昭和32年で、現在、EMS事業、すなわち、電子部品の製造・組立の受託サービスや、自社開発品である真空管、真空管アンプ製造販売、アグリ事業などを行っています。こちら本社工場の他、富山県、福井県や、鹿児島県には2か所工場があり、従業員は現在約480名です。
--御社ホームページに、取引先企業には日亜化学工業株式会社さんがあるのですね。青色発光ダイオードで有名な。
山崎)現在のEMS事業の主力は発光ダイオード(LED)ですね。
--電圧をかけたらp-n接合部でそれぞれのホールと電子が結合して消滅し、電子がエネルギーの高い状態から低い状態になって余ったエネルギーが光として放出される、ということでしたね、LEDは。
山崎)半導体材料によって、そのエネルギーの大きさ異なり、大きいほどエネルギーの大きな光、すなわち、青色のような短い波長の光となる、ということです。LED照明、テレビはもちろん、携帯電話、パソコン、電光掲示板、産業機器など様々なところに使われています。
--半導体レーザーも製造なさってきたのですね。
山崎)発光する原理はLEDと同じですが、レーザーでは位相を揃える工夫がしてあり、レーザーの光は位相が揃っているため真っ直ぐ進むのです。
--なるほど。こうして半導体関係を長らくされてこられたのですね。
山崎)EMSでは、砲弾型LED、チップタイプLED、セグメントLED、ドットマトリックス型LED、モノリシックLED、赤外線LED、紫外線LED、半導体レーザー、ホログラムレーザー、液晶パネル、フォトダイオード、フォトトランジスタ、ゲルマトランジスタ、シリコントランジスタ、FETジャンクション、IC、LSI、VLSI、ホール素子、真空管等の実績がありますよ。
--半導体製造装置も様々なものをお持ちなのですね、当たり前のことを聞いてしまいますけど。
山崎)多数のICが形成されたウェハー状態から1個1個のチップ状態に分離・切断するウェーハダイシングマシン、ウエハーからピックアップしたチップを、基板・フレーム上にボンディングするダイボンダーや、モールド(成型)では画像認識付き注型機、ダイシングでは高速回転ブレードにより対象物を切断切溝加工する装置ダイシングソーなど、生産設備や検査装置も様々ありますよ。
--なるほど。
山崎)あるいは、実装ラインで言えば、スクリーン印刷機、チップマウンター、リフロー炉、外観検査機などですね。
--そうなのですね。
山崎)実装した例はこういったものですね。他にも大手電子部品メーカーを長年支えてきた生産の実績と、信頼性評価の経験によって培ってきました技術とノウハウを基に、電子デバイス・モジュール類の信頼性評価試験サービスも行っています。
--試験?
山崎)・急激な温度変化による性能の変化を調査する温度サイクル試験、高温下において長時間電気的ストレス(電圧、電流)を与え、影響を評価する高温通電試験、はんだ付けしたときの耐熱性を評価するはんだ耐熱試験など、これも様々です。
--つまり、製造から検査まで、全て任せられるということですね。
山崎)はい、それに大量生産だけでなく、1個など少量試作品も対応できることありますよ。
--御社の強みはどう表現したらいいでしょうか?
山崎)まず、日本のほぼ全ての大手電機メーカーに対してEMS事業を展開してきました。各メーカーによって要求レベルや手法が異なるのですが、全て柔軟に対応してきました。
--なるほど。
山崎)それに、提案型ですね。量産を行うには、量産なりの設計仕様が必要です。それをよく心得ていますから、より安く効率的な生産方法、仕様を提案しています。
--どうして御社は、そうした柔軟な対応、提案型のスタンスが実現できるのでしょうか。
山崎)人材育成、人材登用ですかね。早め早めに部門長をさせることで、責任感を養うとともに、視野を広げ、柔軟性も養います。
--そんなEMS事業で培われた技術ノウハウを活かした自社製品のLEDなどもお持ちですね。
藤岡)そうですね。白色LED斜光ライト、フルカラーLEDテープ、植物工場用直管型LED・LEDデバイス、紫外線ハンディライトなど、これまた様々ございますね。真空管や真空管アンプもございますよ。
--真空管、ですか。今ではあまり見かけませんね。
藤岡)真空管は、かつて、もともとEMS事業で作ってきた実績がありますが、トランジスタ(半導体)と同じく、電圧や電流を「増幅」するためのものです。金属は熱したりすると電子が飛び出しやすくなる性質があるので、マイナスの電極(カソード)に電熱器が付いています。プラスの電極(プレート)に電子が飛び移るのですが、空気の分子があると効率よく飛び移れないので、全体をガラスチューブで覆って真空にしているというのが、簡単に説明した原理です。
--なるほど。なんかかっこいいですね。
藤岡)その真空管を用いたアンプ、真空管アンプも作っています。アンプは音源(CDプレーヤーなど)から受け取った小さな電気信号を調整したり、スピーカーにて大きな音で鳴らせるように増幅するのがアンプですが、それにトランジスタではなく真空管を用いたものです。真空管にしか出せない柔らかいサウンドが出せると、根強い人気があります。
--なるほど。
藤岡)レコードが再び人気であったりといったことに象徴されるように、音楽の趣向も再生ソースも多様化の一途を辿る中、好みの音が追求できる3つの音質調整機構も備えています。
--音楽を愛する人には、たまらない魅力、ですね。
藤岡)本社内に予約制の視聴室もあります。こちらです。石井オーディオ研究所の石井伸一郎先生に手掛けていただいたものです。いい音色でしょ!
これはなかなか素晴らしい、ですよ!!
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