ここから本文です。
知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成28年6月21日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
平成27年度元気印企業、株式会社シオガイ精機(外部リンク)(本社:久御山町)の塩貝社長にお話をおうかがいしました。
―まず、事業の概要を教えてください。
塩貝) まず1つは、各種FA装置・自動機等を製造しています。薬剤ブレンダー装置、自動溶接装置、基板検査装置、建築足場洗浄装置など様々です。もう1つは、切削を中心とした金属機械部品加工で、大型フレームから小物機械パーツまで幅広く対応できます。
―ベトナム工場も含め350人体制の規模ですね。
塩貝) はい。機械と工具関係や品質に欠かせない測定機や測定ジグなどはすべて日本製のものを使用しつつ、材料・加工は内容・納期に合わせて技術者が分担し、日本の技術とベトナムの豊富な労働力を合わせることで24時間稼働体制を敷いています。
左:久御山本社工場 右:ベトナム工場・ホーチミン事務所・シンガポール事務所等海外拠点
―こうした規模にまで発展されてきた経過を教えてください。
塩貝) 父(現会長)が1967年に機械のオーバーホール(工作機械の修理)主体で創業しました。やがて、切削などの「部品加工」を開始しました。当時は、大手の孫請けという立ち位置でした。興味があった「機械装置製造」も「やれる」と思っていましたが、「仕事をくれ」では孫請けに甘んじてしまうということが分かっていましたので、「どうせならNo1のものを作る」という思いで、東京で直接取引をできる先を探して営業しました。
―成長の秘訣は「意識」ですね。
塩貝) そうかもしれません。それと社内に「設計者」を置いていることも重要です。「機械装置」を作っているから「部品加工」についても最適化、低コスト提案ができ、相乗効果(シナジーマニュファクチャリング)が生まれるのです。
―なるほど。そして、今回開発されたのが自社ブランド脱臭装置「Cle Quick」ですね。これも東京での営業がきっかけですか?
塩貝) そうです。大手製鉄企業の関連会社が開発した悪臭・有害ガスの浄化に優れた新素材を見て、大きなプラントなど工業用システムとして展開されていた同社に、中型・小型装置、民生用装置の製造を任せてほしいと提案し、許可をもらい独自開発に至りました。
私自身臭いが嫌いということもありますが、工場内の嫌な臭いを我慢して生産に携わる方も多くいます。近年職場改善活動や雇用活動の一環や近隣問題など、様々な事で臭い対策はどこの企業も考えてきています。
―どういうところで使うのですか?
塩貝) 食品、印刷、塗装・ゴム、鋳物などの工場やサーバルームなどの臭い対策ですとか、学校、病院、動物病院、仮設トイレ、福祉施設等や各家庭のシックハウス対策など様々です。
また、ネイルサロン向けなど用途に応じた装置を現在も次々と開発中です。
―仕組み、原理は?
塩貝) フィルターが特殊で、鉱物性の素材に特殊な液体を混ぜてハニカム状に押出し成形します。そのフィルターが臭いの分子を化学吸着するという仕組みなのです。
そのため、物理吸着で小さい分子の捕集ができない活性炭では取りにくいアルデヒド類を低濃度でも抜群に吸着できるのです。
用途に応じてフィルターの種類を選択できるので様々なシーンに対応できます。また装置の構成としてフィルターを積層していますので、1つのフィルターをメンテナンスしている最中でも装置は稼働できます。
機械装置屋として、様々な現場のニーズに応えてらっしゃる同社の今後の展開が楽しみです。
お問い合わせ