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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(令和3年4月8日、ものづくり振興課 足利)
株式会社Photo Soni Life Technology(外部リンク)(京都市)の若松知哉代表取締役様にお話をおうかがいしました。
--御社の事業概要を教えてください。
2020年7月7日に設立し、光超音波イメージング技術の応用研究、機器開発を行っています。内閣府のImPACTや京都大学大学院医学研究科の椎名毅教授らが研究されてきた成果を基に進めています。
--光超音波?
若松)レーザーと超音波を融合した技術で、光学の高分解能と、超音波の深度という、それぞれの良いとこ取りをしたものです。例えば光学顕微鏡は分解能が高いですが、例えば生体内の深いところの情報を得ることはできません。また、エコーなどでおなじみの超音波は、深いところの情報は得られますが、分解能は低いです。
--CTやMRI、PET等ではダメなのですか?まあ、X線を使ったり、磁場であったり、陽電子と電子の衝突によるガンマ線を計測したりとたいそうから、そういうのがないということですかね。
若松)そういうことです。造影剤や被ばくの影響がありますし、おっしゃったように大きく高額な機械で、時間もかかります。それに対して、光超音波であれば、非(低)侵襲・非造影で、生体内部を高解像度で可視化することができます。
--なるほど。どういう応用が考えられますか?
若松)例えば、血液をよく把握できますので、リウマチの診断装置等ですね。光超音波顕微鏡等もありましょう。
(機器イメージ)
--リウマチですか。
若松)先ほど言いましたように、光超音波の特徴は、安全にモニタリングできるものですので、そうであれば、町のクリニック等で手軽に使っていただけるものが向いているだろうということです。
--なるほど。他には?
若松)いろいろあり得ますが、CFRP内部の層間剥離を非破壊で検出するですとか、食品検査への応用といったことが可能になります。
--具体的にはどういう仕組みなのですか?
若松)この原理自体は、有名なグラハム・ベルが見出したもので、光を光吸収体に発することで、そこから超音波が発生するというものです。この超音波をセンサで読み取って画像に再構成します。
--光吸収体?
若松)例えば、赤血球がそうです。
--なるほど。御社の研究内容は?
若松)京都大学と一緒に光超音波顕微鏡や臨床向けのデバイス開発を行っています。京都大学では、超音波素子の配置、超音波の読み取り方、パルスレーザの光の当て方などのノウハウが培われており、高機能・高解像度・小型の装置開発を目指しています。
--医療機器開発というのは、かなり大変だと思います。
若松)私自身、企業で機械エンジニアとして様々な機械設計を行ってきました。独立後中小企業診断士の資格を取り独立後、株式会社産学連携研究所(外部リンク)に所属し、アカデミアの研究成果を事業化するスタートアップ企業の支援をしております。産学連携研究所の社長は隅田さんですよ。今隣のブースにいらっしゃいますよ。隅田さん!
隅田)はい!
--おお!お久しぶりです!びっくりしました(笑)またよろしくお願いします。
隅田)中小企業共同型ものづくり支援事業等で、ネットワークが広がっており感謝です。
--ありがとうございます。では、若松さん、最後に今後の展望はいかがでしょうか。
若松)まずは光超音波顕微鏡など、研究機関向けの機器を開発しながら、早ければ数年のうちに診断装置等の上市を目指したいと思っています!
ぜひ頑張ってください!
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