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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成30年5月11日(修正:令和3年2月25日)、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
マクセル株式会社(京都本社:大山崎町)エナジー事業本部 新事業推進本部 企画部長の田村礼仁様にお話を伺いました。
―御社の概要を教えてください。
田村)当社は1960年に設立され、現在従業員数は約4,000人(連結)です。2016年4月に京都本社を設置し、東京本社との2本社制に移行しました。
さらに、2017年10月に日立マクセル株式会社からマクセルホールディングス株式会社に商号変更、持株会社へ移行しました。マクセル株式会社は傘下の事業会社です。事業セグメントは大きく3つあります。1つ目は、リチウムイオン電池やEV電池材料などの「エネルギー」、2つ目は、粘着テープ、車載レンズユニット、ICカードリーダライタなどの「産業用部材料」、3つ目は、健康・理美容機器、プロジェクターなど映像機器、記録メディアなどの「電器・コンシューマー」です。
―マクセルと言えば、電池はもちろん、私の場合は、昔、カセットテープをよく使っていた記憶があります。
田村)ありがとうございます。アルカリ乾電池は当社が1963年に国内で初めて生産し、カセットテープは1966年に同じく国内で初めて商品化したものです。マクセルという社名は、創業製品である乾電池のブランド名MAXELLが由来で、その意味は「Maximum Capacity Dry Cell(最高の性能を持った乾電池)」です。記録メディアは次々と形を変えていますが、電池はいつの時代もなくならない息の長い事業ですね。
―しかし、その電池も、時代のニーズに応じてさまざまなものを世に送り出してこられたわけですよね。
田村)はい。当社は1960年代当初から現在に至るまで、例えば携帯ラジオ、クォーツ式ウォッチ、ゲーム機、携帯電話やスマートフォン、ドローンなどさまざまな社会のニーズに対して、アルカリ乾電池をはじめ、酸化銀電池、リチウムイオン電池、コイン形二次電池など多種多様な電池を他に先駆けて開発し、提供してきました。
―マクセルの電池事業の特長を教えてください。
田村)アルカリ乾電池など、市場規模の大きいものは他社がシェアを獲得していますが、当社は特定用途に特化したユニークな技術を必要とする電池の開発に積極的に取り組んできました。その結果、電池のラインナップの多さでは業界トップクラスであり、ニッチな分野では、シェア1位のものが少なくありません。これが一つ目の特長です。
―いいですね。
田村)2つ目は、信頼性の高さ、性能の高さです。一例として現在世界シェア1位の耐熱コイン形二酸化マンガンリチウム電池は、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)などで用いられるものですが、約2,000G(300km/h走行に相当)の加速度にも耐え、同時にマイナス40℃~プラス125℃という過酷な温度環境にも耐える電池で、この信頼性や性能は、マクセルだからこそ実現できていると自負しています。また、今、世界ではリチウムイオン電池の発火事故がニュースになっていますが、当社製品はリコールゼロです。
素晴らしいですね。今後の展開も楽しみです。
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