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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成28年10月3日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
株式会社イトミック環境システム(八幡市)の経営企画グループ 清時上席リーダー、森本リーダーにお話をおうかがいしました。
―まず、事業の概要を教えてください。
清時) 熱交換をコア技術として、冷凍機やチリングユニット用のフィンチューブ、凝縮器のOEM供給受託製造、独自開発の業務用エコキュートの開発・製造、親会社 日本イトミックが販売している電気温水器の製造と3事業の展開を行っています。例えば、当社の熱交換技術により、フィンチューブについては、液切れが良く電熱効率が安定、過熱域・液域においても優れた性能を発揮、低水速でも能力低下が小さい、軽量・小型で機器への組み込みがしやすくその小型化も図れる、といった特長を生み出しています。
フィンチューブ(左)と冷凍機ユニット(右)
―素晴らしいですね。そして、エコキュートは業務用、世界初だとお聞きしています。
清時) 当社のエコキュートは、2002年に業務用で世界初の、自然冷媒(CO2)を使用したヒートポンプ給湯システムです。電気温水器が1の電気で1の熱エネルギーを得るものとすると、ヒートポンプは電気を使って、空気から吸熱、圧縮して温度を上昇させることで、1の電気エネルギーで3や4の熱エネルギーを効率的に得る仕組みでして、ランニングコストや年間CO2排出量等の面で、ガスや灯油などの燃料を燃焼させるボイラーに優れます。エコキュートは、フロン系の冷媒(R410A)と比較すると地球温暖化計数は1/2000、オゾン層破壊計数は0であり、ますます需要が高まっているものです。
―どういったユーザー様がいらっしゃるのですか?
清時) 国内外に数千台の納入実績があり、例えば、福祉施設、病院、学校、温浴施設、ホテル、工場やその宿舎、飲食店など、大量給湯が必要な施設様などです。現場ごとに必要とされる設置パターンに細かく応えるべく、ラインナップも豊富です。
―豊富なラインナップの中で、ひときわ目を惹くのが「Yフレーム」です。
清時) 文字通り、横から見た形がアルファベットの「Y」に似ているところから名付けた当社独自製品で、特許も取得しています。まず、空気の流れがスムースで、当社従来機比でファンの消費電力が70%削減されたものです。また、角型フレームの製品と異なり、複数台を近接設置しても、メンテナンスするための隙間、空気を取り込むための隙間が十分確保でき、省スペースで済みます。
―親会社でらっしゃる日本イトミック様は、電気温水器を扱ってらっしゃいますね。
森本) 給湯室、洗面所、厨房、お風呂など、飲めるお湯から工場での洗浄用まで、あらゆるところでご使用いただいています。例えば、国内の大手コンビニエンスストアの各社様にも採用いただいています。
―すごいですね。秘訣は何ですか?
森本) よくある空調メインの会社ではなく、当社グループは、電気温水器や業務用エコキュートを専業にしている「お湯のエキスパート」として、多彩なラインナップを取り揃え、それぞれのお客様に応じた特殊メードできめ細かに対応しています。
―今後の展望はいかがでしょう?
清時) エコキュートに関して申しますと、まず1つは、寒冷地向けに能力の高い製品の開発を、2つ目は、既に一部の海外へは展開していますが、石炭ボイラーの廃止がされていく中国なども視野に入れていきたいということです。また3つ目として、農業分野、床暖房など「お湯」の様々な横展開も進めていければと考えています。
同社の今後の展開が楽しみです!
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