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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成29年6月9日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
平成28年度元気印企業・株式会社クリーンベンチャー21(京都市)の中村課長様、上山課長代理様、大嶋主任様、宇野様にお話をおうかがいしました。
―まずは、事業概要から教えてください。
中村) 現在、従業員は約40名でして、平成13年の創業以来取り組んできました独自開発の球状シリコン太陽電池の開発・製造のほか、太陽光発電システムの設計・施工、自発光式道路鋲の開発・製造などを行っています。
―球状シリコンですか、珍しいですね。他に作ってらっしゃるところあるのですか?
中村) 一時期、アメリカを中心に、球状シリコンの開発に取り組む動きが活発になった時期もありました。滴下による手法をみんな追求したのですが、結局完成させたところはありませんでした。当社は独自の製法で球状シリコンの開発に成功しましたので、事実上オンリーワンですね。特許も取得しています。
―機密事項だと思いますが、どういう製法ですか?
中村) ざっくりと申しますと、シリコンの粉末から球状に成形し、研磨をかけて整えた上から、電極材(マイナス)を化学的に塗布した直径約1.1mmの球を、集光させるための反射板にセットします。反射板の開口部から出ている部分を削りプラス電極とするというものです。この様にして作った球状シリコン太陽電池セルを組合せモジュール作ります。このように、シリコンの原材料から、シリコン球づくり、セル、モジュールづくりまで一貫対応しています。
―性能面での特長は?
大嶋) 変換効率に関しては、球状シリコンは、結晶系シリコンと薄膜系シリコン(アモルファス)の間くらいの性能です。また、ガラスを使う必要がないため軽いです。そして、最大の特長は、割れずに、曲げられるということです。球状シリコンは、他の結晶系、薄膜系等に比べてはるかにタフです。丈夫で、そうやすやすとは割れません。そのため、フレキシブルな動き等にも対応できる柔軟なモジュールができます。
―なるほど。
大嶋) ですので、多様な用途への展開が可能で、ハンディ型の柔軟に曲がるモジュールですとか、モジュールの長さなどが自由に設定できる、スリム型モジュールなども製造しています。
―スリム型モジュールですか?
上山) JRの貨物コンテナに自由に任意の大きさで貼り付けることもできますし、ソーラーブラインドとしても貼り付けることできます。コンテナに24時間換気扇で常に新鮮な空気を供給することができるようになります。
―なるほど。
上山) 街路灯等に張り付けることもできます。一般に街路灯では、庇がありそこに結晶セルが乗っているわけですが、雪が多く降る地域や、台風の直撃が大きい分野においては、機能を発揮しがたくなります。そこで当社の自由に張り付けることが可能なものが役に立つわけです。
―なるほど!
宇野) 球状シリコン太陽電池を内蔵したソーラー充電式LED照明「光洛」、自発光式道路鋲「Smart Solar Lighing」といったラインナップもあります。プラスチックシェルにより業界最薄型の9mm厚のもの、アルミダイカストによるもの、いずれも荷過重20tをクリアしており、フル充電で72時間連続作動が可能です。道路や縁石、庭園などで多く利用いただいています。
―ほかにも御社の球状シリコン太陽電池を用いて様々な新製品が生まれそうですね!
宇野) はい。割れずに、曲げられることから、これまでもバッグに取り込んだりですとか、様々な試作も行ってきています。必要な出力との調整は必要ですが、セルの大きさも自由に選べますので、多様な異業種とも組んで新商品づくりも積極的に進めてまいりたいと思っています。
今後の様々なコラボレーションが楽しみです!
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