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株式会社Anamorphosis Networks(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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Webカメラを産業用途にリメイク!USBポートに刺すだけで使える丈夫な低コストカメラを実現!

(掲載日:令和5年7月3日 ものづくり振興課 笠原・藤田)

 令和4年度中小企業緊急対応支援事業(共同開発等推進コース)を使って、「Web会議等で活用されている量産型Webカメラの産業応用化」を実現された、(株)Anamorphosis Networksの炭谷代表取締役社長様にお話をお伺いしました。

Webカメラを産業用途にリメイク

 今回開発したカメラの特徴は、Webカメラを利用していることです。Webカメラは、USB Video Class(UVC)という規格で作られており、USBポートに接続するだけで簡単に使用できるメリットがあります。また、手頃な価格で入手可能な点も大きなメリットと言えます。

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 図1 本開発で用いたWebカメラ

一方でWebカメラは産業用カメラと比較すると、撮影画像のブレや歪みが発生します。また、ハードウェア面では、製造現場への導入に耐えうる防塵防水性がないという問題もあり、これらを解決することが課題になります。

 本開発では、(株)Anamorphosis NetworksのAI画像処理技術を応用することで、画像中のブレや歪みを解消し、画像を鮮明化する技術を開発しました(図2を参照)。

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 図2 (株)Anamorphosis Networksの開発したピンボケ除去のAI画像処理技術

さらに、共同開発者である飯田照明(株)のハードウェアの知見を活かし、筺体に使用する部品を工夫することで、防塵・防水性能IP65(完全な防塵構造でいかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない)を実現しました(図3を参照)。

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図3 防塵・防水性能IP65を実現したケーシング

これにより、当該カメラは産業現場においても十分な性能を発揮することが可能になりました。さらに、産業用カメラを使用する場合と比較して、低コストで設備開発が可能となり、価格面でも優位性を確保しています。

 最後に、炭谷社長に同社の強みをお伺いしたところ、「自社で画像処理ソフトとハードをパッケージングできることです。」とのこと。この強みを活かし、製造現場ごとにオーダーメイドで、ユーザーが使いやすい製造業向けの画像ソリューションを提案されています。

 高い技術力で顧客一人一人のニーズに応える同社。今後の活躍が楽しみです!

誰もが使えるAIで、外観検査から日本の製造業の底上げを

(2022年6月19日、ものづくり振興課 足利・植村・小高)

株式会社Anamorphosis Networks(外部リンク)(京都市/炭谷代表取締役)の魅力をお聞きしてきました。

誰もが使えるAIを

「誰もが使えるAIを実現したいんです」と語るのは炭谷代表取締役。同社のAIプラットフォーム「OpenPoC」では、ホームページからソフトウェアをダウンロードして、誰もが無料で簡単に試すことができる。

外観検査装置の「コト買い要素」「作り込み」をショートカット

「現在、日本の製造業、業界全体の品質向上を目指して外観検査設備の導入を進めていますが、外観検査の設備って、単なる『モノ買い』じゃないんです。お客様の製品やお客様ごとの検査基準に合わせて、オーダーメイドである程度作り込まないといけないんです。ソフトウェアのカスタマイズをどうするか、撮影環境はどうするかなど、仕様を検討しなければなりません。いわば『コト買い』の要素があるんです」「さらに、中小企業では小ロット多品種生産のケースが多く、製品ごとに検査装置を作り込む費用対効果が見込めないという課題もあります」「そうしてお客様の製品に合った検査方法、仕様をOpenPoCで見つけてもらうのです」とのこと、なるほど!

外観検査AI「NuLMiL」

そこで試すことができる主力AIが「NuLMiL」だ。不良品画像に色を塗りパターン学習させることで、AIによる外観検査を行うソフトウェア」で、PC・タブレット端末などで専用のペイントツールを用い不良箇所を色塗り登録すると、AIがパターン学習し、塗り分けた色に応じた不良を自動で検出・分類し、製品の外観検査を行うことができる。

 

 

少数データで高精度を実現

すっごくお手軽なAIだが、たくさんの学習データを集めるために、たくさん色塗りしなくちゃいけないんじゃないの?「いえ、特許を取得した独自技術により、数十枚程度の画像データで高い検査精度を出すことができます。色塗りによる精密な学習データ作成と良品学習・不良品学習のハイブリッド学習で、これを実現しているのです」とのこと。なるほど!

多品種にも未知の不良にも対応

さっきも言ってた多品種製造にはどうするのさ?「はい、従来の外観検査 AI では製品ごとに AI を作成する必要がありました。しかし、NuLMiLでは、複数製品に対しても 1 つの AI で対応できます」「それに、色塗り登録による不良品学習で既知の不良はもちろん検出しますが、さらに、良品の画像も登録することで良品学習を行い、良品との乖離度から未知の不良も検出するのです」とは、恐れ入りました!

スタートアップ企業ならではのインパクトで、日本の製造業全体の品質向上を目指す

「誰でも使えるAIなので、非エンジニアでも不良サンプル検査ができますよ」という。ホームページから無料ダウンロードして自社でお試しいただけるが、不良サンプルをAnamorphosis Networks社に送れば、同社が試してくれる。それも非エンジニアができるから、コストをかけずに行える、まさにスタートアップならではのコスト破壊力だ。
「創業はまだ学生であった2018年」とのこと。製造受託業務が中心の中小企業は、発注元の受入検査で不具合が見つかった際、再発防止のための膨大な対応コストに追われることになる。検査の効率化のため、自社で検査装置を抱える動きが加速している中、こうした外観検査AIの導入は、まさに今求められている。

お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp