○京都府議会基本条例
平成22年12月24日
京都府条例第44号
京都府議会基本条例をここに公布する。
京都府議会基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動の原則(第3条―第7条)
第3章 府民と議会(第8条―第10条)
第4章 議会と知事等(第11条―第14条)
第5章 議会の運営等(第15条―第20条)
第6章 議会の活動の基盤(第21条―第24条)
第7章 補則(第25条・第26条)
附則
京都府議会は、住民自治の原則にのっとり、府民の信託にこたえ、府民福祉の増進を目指し、議会と知事による二元代表制の下、知事その他の執行機関と緊張感を持ち、かつ、真摯な態度で臨む関係を保ちながら、京都府の責任ある運営を担っている。
今、地方自治を巡っては、地方自治の本旨の具体化、真の地方自治の確立に向けた様々な取組が展開され、地域の課題は地域自らが考え、判断し、決定するという、自主的かつ自立的な住民自治の原則に基づく団体自治の運営がこれまで以上に求められる重要な時にある。
京都府議会は、これまでから、府民を代表する合議制の機関としての権能が最大限に発揮できるよう、様々な取組を進め、また、自らの改革に努めてきた。
ここに、これまでの取組や改革の成果を確かなものとし、更に発展させ、地方自治の本旨の実現、真の地方自治の確立を目指して府民の信託に全力を挙げてこたえていくことを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、京都府の運営における京都府議会(以下「議会」という。)の基本理念を明らかにするとともに、議会及び京都府議会議員(以下「議員」という。)の活動の原則、府民と議会との関係、議会と知事その他の執行機関(以下「知事等」という。)との関係その他議会の基本的な事項を定めることにより、議会と知事の二つの機関による府の運営において、議会の権能を最大限に発揮しながら、府民の信託にこたえ、議会の権能の発展及び議会の機能の確立を目指し、もって府民福祉の増進及び京都府の発展を図ることを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、民主的にして能率的な府政の推進並びに国及び市町村との間の基本的関係の確立を図りながら、地方自治の本旨の具体化及び京都府の健全な発展が保障された真の地方自治の確立を目指すものとする。
第2章 議会及び議員の活動の原則
(議会の使命)
第3条 議会は、府民から信託された議員によって構成される府民の代表機関として、府民の意思を的確に把握し、その反映を図りつつ必要な意思決定を行うことにより、府民福祉の増進及び京都府の発展に取り組むことをその使命とする。
(議会の活動の原則)
第4条 議会は、府民の意思の的確な把握、府民への積極的な情報の提供等に努めることにより、議会の透明性の向上及び府民の信頼の確保に努めなければならない。
2 議会は、府政が抱える課題及び知事等の事務事業の執行状況等を踏まえながら、機動的かつ能動的な活動に努めるものとする。
(議員の使命)
第5条 議員は、府民から信託された府民の代表として、府民全体を考え、府民の多様な意見を把握し、府民の意思を的確に府政に反映させ、府民に説明することにより、府民福祉の増進及び京都府の発展に取り組むことをその使命とする。
(議員の活動の原則)
第6条 議員は、府民の信託にこたえるため、府民の意思及び府政が抱える課題を的確に把握し、積極的に政策の提案及び提言を行うとともに、府及び議会の情報の積極的な提供に努めなければならない。
2 議員は、府民の信託を受けた、社会的、倫理的な責任を負う立場にあることに鑑み、識見を持った議員としての活動を行うとともに、不断の研さんに努めなければならない。
(会派)
第7条 議員は、議会の活動を円滑に行うこと等のため、会派を結成することができる。
2 会派は、会派活動を通じて、会派及び所属議員の政策能力の向上に努め、積極的な政策の立案及び提言に努めなければならない。
3 会派は、会派間の協議、調整等を行うこと等により、円滑かつ効率的な議会の運営に努めるものとする。
第3章 府民と議会
(府民と議会との関係)
第8条 議会は、府の意思決定機関として、府民の意思を府政に反映させるとともに、府民の信託にこたえること等の活動を展開することに努めなければならない。
2 議会は、府民に対して、府の意思決定機関としての活動等議会活動に関して説明する責務を有する。
3 議会は、府民の多様な意見を把握するための場の設置など、府民が議会の活動に参画できる機会を確保することに努めるものとする。
(広報広聴機能の充実と府民の意見)
第9条 議会は、その活動に関し、多様な媒体を活用するなど、府民に対する積極的な情報の提供に努めるものとする。
2 議会は、参考人制度、公聴会制度等を積極的に活用すること等により、多様な府民等の意見の把握に努めるものとする。
3 議会は、請願及び陳情が提出されたときは、誠実かつ適切な処理及び審査を行わなければならない。
(透明性の向上)
第10条 議会は、情報の積極的な提供、本会議及び委員会等の会議の公開、論点を明確にした審議の充実等の取組を推進することにより、その活動に関する透明性のより一層の向上に努めるものとする。
第4章 議会と知事等
(議会と知事との関係)
第11条 議会は、二元代表制の下、議決権を有する議会の権能と執行権を有する知事の権能との違いを認識し、かつ、知事の役割を尊重しつつ、緊張感のある関係を保ちながら、自らの権能を最大限に発揮し、共通の目標である府民福祉の増進に努めなければならない。
(事務事業等の点検、監視及び評価)
第12条 議会は、知事等が執行する施策及び事務事業について、点検、監視及び評価を行う責務を有する。
2 議会は、前項の点検、監視及び評価を行った場合において、必要があるときは、知事等に対し、適切な措置及び対応を講じることを求めるものとする。
(政策の提言及び提案)
第13条 議会は、議員提案による条例の制定等積極的な政策の立案を行うものとする。
2 議会は、知事等に対し、審議、決議等を通じて、政策の提言及び提案を行うものとする。
3 議会は、議会としての政策の提言及び提案を行ったときは、知事等に対し、その趣旨を尊重するよう求めるものとする。
(審議に関する資料の請求等)
第14条 議会は、議案等の審議の充実を図るため、必要に応じ、知事等に対し、当該審議に関係する事項について、資料の提出、説明等を求めるものとする。
第5章 議会の運営等
(議会の運営の原則)
第15条 議会は、その権能及び機能を最大限に発揮しながら、合議制の機関としての審議の充実と能率的な運営に努めなければならない。
(本会議)
第16条 定例会の回数については、京都府議会定例会条例(昭和31年京都府条例第23号)の定めるところによる。
2 定例会及び臨時会の会期及びその延長並びにその開閉に関する事項は、会議規則の定めるところによる。
(委員会)
第17条 委員会は、府政の課題を的確に把握し、委員会の専門性と特性を生かした運営に努めるものとする。
2 常任委員会は、府政の課題、知事等による政策の形成、事務事業の執行の状況等に対応して機動的に開くものとする。
3 特別委員会は、府政の課題等に対応して必要がある場合に設置するものとする。
(審議の充実)
第18条 議会は、議会が定める多様な方式による議員の質疑及び質問、審議に係る論点等を明確にするための議員相互による討論を行うこと等により、真摯な議論の展開及び審議の充実に努めなければならない。
(議会の意思の発信)
第19条 議会は、意見書、決議等により、積極的に議会の意思を発信するものとする。
(調査研究)
第20条 議会は、議案及び知事等の事務に関する調査を行うほか、府政及び議会運営に関する課題の解決に資するための必要な調査研究を行うものとする。
2 議会は、必要があると認めるときは、学識経験者、府民、議員等で構成する調査研究のための機関を設置することができる。
3 議員及び会派は、府政及び議会運営に関する課題の解決に資するための必要な調査研究の実施に努めるものとする。
4 議員及び会派は、調査研究その他の活動に資するために交付を受けた政務活動費の使途に関し、説明する責務を有する。
(平25条例22・一部改正)
第6章 議会の活動の基盤
(議員の定数及び選挙区)
第21条 議員の定数及び選挙区については、京都府議会の議員の定数並びに選挙区及び各選挙区の議員の定数に関する条例(昭和54年京都府条例第1号)の定めるところによる。
2 議会は、議員の定数及び選挙区に関して検討又は見直しを行う場合は、議会及び議員の活動を通じて府民の意思が府政に反映できることに配意するものとする。
(議会の機能の強化)
第22条 議会は、その権能を発揮し、及び発展させるため、議会改革に継続的に取り組むなど、既存の制度や運営の方法等について、不断の見直しを行うものとする。
2 議会は、知事等の事務事業の執行状況等の点検、監視及び評価並びに政策の立案及び提言に関する機能について、会議における審議の充実を図ること等により、その強化に努めるものとする。
3 議会は、他の地方議会等との連携を図りながら、その権能の発展及び機能の強化を図るための活動、研究等を行うものとする。
(議会事務局)
第23条 議会は、その権能の発揮及び機能の充実に向けた取組の強化並びに議会の活動の円滑かつ効率的な実施に資するため、議会事務局の機能の強化及び組織の体制整備に努めるものとする。
(議会図書館)
第24条 議会は、議員の調査研究等に資するため、議会図書館の充実に努めるものとする。
第7章 補則
(条例の見直し)
第26条 議会は、社会情勢の変化、府民の意見等を踏まえ、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成25年条例第22号)
この条例は、公布の日から施行する。