○京都府土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例
平成21年3月27日
京都府条例第12号
京都府土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例をここに公布する。
京都府土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 埋立基準に適合しない土地の埋立て等の禁止等(第8条・第9条)
第3章 土地の埋立て等の許可等(第10条―第27条)
第3章の2 土砂等搬入禁止区域(第27条の2―第27条の4)
第4章 雑則(第28条―第34条)
第5章 罰則(第35条・第36条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、土砂等による土地の埋立て等について、土地の埋立て等を行う者、府等の責務を明らかにするとともに、不適正な土砂等による土地の埋立て等を防止するため必要な規制を定め、もって生活環境の保全及び災害の防止に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「土砂等」とは、土砂及び土砂に混入し、又は付着した物をいい、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項の廃棄物を除くものとする。
2 この条例において「土地の埋立て等」とは、土地の埋立て、盛土その他土地への土砂等の堆積(製品の製造又は加工のための原材料の堆積を除く。)又は土地における容器を用いた土砂等の保管(規則で定めるものを除く。)をいう。
3 この条例において「不適正な埋立て等」とは、次の各号のいずれかに該当する土地の埋立て等をいう。
(1) 生活環境の保全上の支障又は災害の発生するおそれがある土地の埋立て等
(令元条例64・一部改正)
(土地の埋立て等を行う者の責務)
第3条 土地の埋立て等を行う者は、土地の埋立て等を行うに当たっては、土砂等の流出、崩壊その他の災害の防止の観点から、当該土地の埋立て等を安全に行うことができる土砂等の数量を把握するよう努めなければならない。
2 土地の埋立て等を行う者は、土地の埋立て等を行うに当たっては、土地の埋立て等を行う土地の区域(以下「埋立て等区域」という。)の周辺の地域の住民の理解を得るよう努めるとともに、当該埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止のために必要な措置を講じなければならない。
(令元条例64・一部改正)
(土砂等を発生させる者の責務)
第4条 土砂等を発生させる者は、土砂等の発生を抑制するよう努めるとともに、発生させる土砂等により土地の埋立て等が行われる場合においては、当該土地の埋立て等を行う者により不適正な埋立て等が行われることのないよう努めなければならない。
(令元条例64・一部改正)
(土砂等を運搬する事業を行う者の責務)
第4条の2 土砂等を運搬する事業を行う者は、不適正な埋立て等に用いられる土砂等を運搬することのないよう努めなければならない。
(令元条例64・追加)
(土地所有者等の責務)
第5条 土地の所有者、占有者又は管理者(以下「土地所有者等」という。)は、その所有し、占有し、又は管理する土地において不適正な埋立て等が行われることのないよう努めなければならない。
2 土地所有者等は、その所有し、占有し、又は管理する土地において不適正な埋立て等が行われていることを知ったときは、不適正な埋立て等が是正されるよう必要な配慮その他必要な措置を講じなければならない。
3 土地所有者等は、府及び市町村が実施する土地の埋立て等に関する施策に協力しなければならない。
(府の責務)
第6条 府は、府の区域内における土地の埋立て等の状況を把握し、不適正な埋立て等が行われないよう必要な施策を実施するとともに、市町村が実施する土地の埋立て等に関する施策について、市町村に対し、必要な技術的な助言及び協力を行うものとする。
2 府は、前項の施策を実施するに当たっては、府民及び市町村と連携してこれを行うものとする。
(府民の協力)
第7条 府民は、地域の生活環境の保全及び災害の防止に寄与するため、不適正な埋立て等(第2条第3項第1号に該当する土地の埋立て等に限る。)が行われないよう配慮するとともに、府及び市町村が実施する土地の埋立て等に関する施策に協力するものとする。
(令元条例64・一部改正)
第2章 埋立基準に適合しない土地の埋立て等の禁止等
(埋立基準)
第8条 土地の埋立て等に供される土砂等が土壌の汚染を防止するために満たすべき環境上の基準(以下「埋立基準」という。)は、規則で定める。
2 埋立基準は、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定による人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準で土壌の汚染に係るものに準じて定めるものとする。
(埋立基準に適合しない土地の埋立て等の禁止等)
第9条 何人も、埋立基準に適合しない土砂等を用いて土地の埋立て等を行ってはならない。ただし、次に掲げる土地の埋立て等については、この限りでない。
(1) 土地の造成その他これに類する行為を行う土地の区域内において行う土地の埋立て等であって、当該区域内において発生した土砂等のみを用いて行われるもの
(2) 法令又は他の条例(以下「他の法令等」という。)の規定に基づく許可等の処分その他の行為に係る土地の埋立て等であって、規則で定めるもの
2 知事は、前項の規定に違反して、土地の埋立て等に埋立基準に適合しない土砂等が供されているおそれがあると認めるときは、当該土地の埋立て等を行う者に対し、期間を定めて当該土地の埋立て等の停止を命じ、又は期限を定めて現状を保全するために必要な措置をとるべきことを命じることができる。
(令元条例64・一部改正)
第3章 土地の埋立て等の許可等
(土地の埋立て等の許可)
第10条 土地の埋立て等を行おうとする者は、知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる土地の埋立て等については、この限りでない。
(1) 埋立て等区域の面積が3,000平方メートル未満である土地の埋立て等(当該埋立て等区域を含む一団の土地の区域において3,000平方メートル以上の土地の埋立て等を行うこととなるものを除く。)
(2) 土地の造成その他これに類する行為を行う土地の区域内において行う土地の埋立て等であって、当該区域内において発生した土砂等のみを用いて行われるもの
(3) 採石法(昭和25年法律第291号)又は砂利採取法(昭和43年法律第74号)に基づき認可を受けて採取された土砂等を販売するために一時的に行う土砂等の堆積
(4) 国、地方公共団体その他規則で定める者が行う土地の埋立て等
(5) 他の法令等の規定に基づく許可等の処分その他の行為に係る土地の埋立て等であって、規則で定めるもの
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める土地の埋立て等
2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 土地の埋立て等の目的
(3) 埋立て等区域の位置
(4) 埋立て等区域の面積
(5) 土地の埋立て等を行う期間
(6) 土地の埋立て等に用いる土砂等を発生させる者
(7) 土地の埋立て等に用いる土砂等の発生の場所
(8) 土地の埋立て等に用いる土砂等の数量
(9) 土地の埋立て等の施工に関する計画
(10) 埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止に関する計画
(11) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
3 前項の申請書には、埋立て等区域の位置を示す図面その他の規則で定める書類を添付しなければならない。
(令元条例64・一部改正)
(1) その土地の埋立て等に用いる土砂等が埋立基準に適合していること。
(2) その土地の埋立て等の施工に関する計画が規則で定める技術上の基準に適合していること。
(3) その埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止に関する計画が埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止のために必要な措置に関する基準として規則で定める基準に適合していること。
(4) その申請をする者が京都府暴力団排除条例(平成22年京都府条例第23号)第2条第4号に掲げる暴力団員等に該当しないこと。
2 その土地の埋立て等が、他の法令等の規定に基づく許可等の処分その他の行為を要するものであって、当該他の法令等により災害の発生を防止するために必要な措置が講じられているものとして規則で定めるものである場合においては、前項第2号の規定は、適用しない。
(平23条例13・一部改正)
(許可の条件)
第12条 知事は、第10条第1項の規定による許可に、当該許可に係る埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止のため必要な限度において、条件を付することができる。
(住民への周知)
第13条 第10条第1項の規定による許可の申請をしようとする者は、その概要について、当該申請に係る埋立て等区域の周辺の地域の住民に対し、必要な周知を図るものとする。
3 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、第1項ただし書に規定する軽微な変更があったとき又は第10条第2項第1号若しくは第11号に掲げる事項に変更があったときは、規則で定めるところにより、その日から30日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。
(着手の届出)
第15条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る土地の埋立て等に着手したときは、規則で定めるところにより、その日から10日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。
(展開検査等)
第16条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域に搬入した土砂等を土地の埋立て等に供しようとするときは、当該土砂等を展開して、土壌の汚染のおそれがある物の混入又は付着の有無について目視による検査を行い、土壌の汚染のおそれがある物の混入又は付着が認められる場合には、当該土砂等を土地の埋立て等に供してはならない。
(土壌の調査等)
第17条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る土地の埋立て等に着手した日から当該土地の埋立て等を完了し、又は廃止する日までの間、当該着手した日から3月ごとの各期間(当該期間内に当該土地の埋立て等を完了し、又は廃止した場合にあっては、当該期間の初日から当該土地の埋立て等を完了し、又は廃止した日までの期間)ごとに、規則で定めるところにより、当該許可に係る埋立て等区域内の土壌の埋立基準への適合の状況について調査を行い、当該各期間の経過後1月以内に、その結果を知事に報告しなければならない。
(施工管理者の設置等)
第18条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止のために必要な施工上の管理をつかさどる者(以下「施工管理者」という。)を置かなければならない。
2 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、施工管理者に、当該許可に係る埋立て等区域の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止のために必要な施工上の管理をさせなければならない。
(標識の掲示)
第19条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域又はその周辺の見やすい場所に、規則で定めるところにより、氏名又は名称その他の規則で定める事項を記載した標識を掲示しなければならない。
(帳簿への記載)
第20条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る土地の埋立て等に用いた土砂等の数量その他の規則で定める事項を帳簿に記載しておかなければならない。
(完了等の届出等)
第22条 第10条第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る土地の埋立て等を完了し、廃止し、休止し、又は休止した当該許可に係る土地の埋立て等を再開したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。ただし、土地の埋立て等を休止した場合であって、当該休止の期間が2月未満であるときは、この限りでない。
3 知事は、前項の確認を行ったときは、その結果を当該届出をした者に通知するものとする。
4 前項の規定により施工計画又は環境保全等計画に適合していない旨の通知を受けた者は、施工計画又は環境保全等計画に適合させるために必要な措置を講じなければならない。
(1) 第14条第1項の規定に違反して土地の埋立て等を行ったとき。
(中止命令等)
第25条 知事は、第10条第1項の規定に違反して土地の埋立て等を行った者(当該者に対し、当該違反行為を行うことを要求し、依頼し、若しくは唆し、又は当該者が当該違反行為を行うことを助けた者があるときは、その者を含む。)に対し、当該土地の埋立て等の中止を命じ、又は期限を定めて当該土地の埋立て等に供された土砂等の全部若しくは一部の除去若しくは生活環境の保全若しくは災害の防止のために必要な措置をとるべきことを命じることができる。
(1) 土地の埋立て等が第9条第1項の規定に違反していると認めるとき又は施工計画若しくは環境保全等計画に適合していないと認めるとき。
(2) 生活環境の保全又は災害の防止のために緊急の必要があると認めるとき。
(令元条例64・一部改正)
(1) 第11条第1項第4号の基準に適合しないとき。
(2) 第24条各号のいずれかに該当するとき。
(平23条例13・一部改正)
(土地所有者等に対する勧告等)
第27条 知事は、土地の埋立て等が行われた埋立て等区域(3,000平方メートル未満のものを除く。)において、土砂等の流出、崩壊その他の災害により人の生命、身体又は財産を害するおそれがあると認める場合であって、当該土地の埋立て等区域の土地所有者等が第5条第2項の規定に違反していると認めるときは、当該土地所有者等に対し、土砂等の流出、崩壊その他の災害の発生を防止するために必要な措置を講じるよう勧告することができる。
(令元条例64・一部改正)
第3章の2 土砂等搬入禁止区域
(令元条例64・追加)
(土砂等搬入禁止区域の指定)
第27条の2 知事は、土地の埋立て等が行われている埋立て等区域(3,000平方メートル未満のものを除く。)及びその周辺の区域において土地の埋立て等が継続されることにより、土砂等の流出、崩壊その他の災害により人の生命、身体又は財産を害するおそれがあると認めるときは、当該埋立て等区域及びその周辺の区域を、6月を超えない範囲で期間を定めて、土砂等の搬入を禁止する区域(以下「土砂等搬入禁止区域」という。)として指定することができる。
2 知事は、前項の規定による土砂等搬入禁止区域の指定期間中に当該指定の事由が消滅しないと認めるときは、6月を超えない範囲で当該指定期間を延長することができる。
5 知事は、第1項の規定による指定をしたときは、その職員に、土砂等搬入禁止区域に立ち入り、規則で定める方法により、土砂等搬入禁止区域の明示をさせることができる。
6 前項の規定により他人の土地に立ち入る職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(令元条例64・追加)
(土砂等の搬入の禁止)
第27条の3 何人も、土砂等搬入禁止区域に土砂等の搬入をしてはならない。
(令元条例64・追加)
(土砂等搬入禁止区域の指定の解除)
第27条の4 知事は、土砂等搬入禁止区域の指定の事由が消滅したと認めるときは、直ちに、当該土砂等搬入禁止区域の指定を解除しなければならない。
(令元条例64・追加)
第4章 雑則
(報告の徴収及び立入検査)
第28条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、土地の埋立て等を行う者、土砂等を発生させる者、土砂等を運搬する事業を行う者、土砂等の発生又は土地の埋立て等に係る土地所有者等その他土地の埋立て等の関係者(以下「土地の埋立て等関係者」という。)に対し、土地の埋立て等の状況、土砂等の発生又は運搬の状況その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、埋立て等区域若しくは土地の埋立て等関係者の事務所、事業所その他土地の埋立て等に関係のある場所に立ち入り、土地の埋立て等の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、検査のために必要な限度において土砂等を収去させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(令元条例64・一部改正)
(公表)
第29条 知事は、この条例の規定に基づく命令若しくは許可の取消し又はこの条例に違反したことを理由とした告発(以下「命令等」という。)を行ったときは、当該命令等の内容、当該命令等を受けた者の氏名その他の規則で定める事項を公表することができる。
2 知事は、第27条第1項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
3 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に対し、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明の機会を与えるための意見の聴取を行わなければならない。
(令元条例64・一部改正)
(協力要請)
第31条 知事は、生活環境の保全又は災害の防止のため必要があると認めるときは、土地の埋立て等関係者に対し、必要な協力を要請することができる。
(令元条例64・一部改正)
(市町村との関係)
第32条 この条例の規定は、市町村が、第10条第1項第1号に掲げる土地の埋立て等に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。
2 京都市の区域については、この条例の規定は、適用しない。
(1) 許可申請手数料 1件につき 59,160円
(2) 変更許可申請手数料 1件につき 34,680円
(令元条例11・一部改正)
(委任)
第34条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 罰則
(罰則)
第35条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 第27条の3の規定に違反して土砂等の搬入をした者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
4 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(令元条例64・一部改正)
(令元条例64・一部改正)
附則
1 この条例は、平成21年10月1日から施行する。
附則(平成23年条例第13号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附則(令和元年条例第11号)
1 この条例は、令和元年10月1日から施行する。
2 この条例による改正後の京都府土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例第33条の規定は、この条例の施行の日以後の申請に係る手数料について適用する。
附則(令和元年条例第64号)
1 この条例は、令和2年6月1日から施行する。
2 この条例の施行前にした土地の埋立て等に対する罰則の適用については、なお従前の例による。