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先輩職員インタビュー
プロフィール
今井 聖菜さん
職種
行政
入庁年度
令和2年度
経歴
令和2年4月 文化芸術課 現在
京都府職員を志望した理由を教えてください。
大学では文化史学を専攻していました。演劇活動にも携わっていたため、「卒業後は文化芸術に関わる仕事がしたい」と漠然と考えていました。日々勉強や活動をするうちに、文化芸術が抱える課題や問題点に気づくようになり、文化行政に興味を持ち始めたのが公務員を目指すきっかけです。
文化芸術は、人間の生活を取り巻く様々な要素の根底にあるものと考えています。京都府内各地でも、地域の多様な風土や生活に結びついた文化が、現在まで伝わっています。また京都は古い文化を守るだけでなく、新しいものを受け入れ自分たちで育てる寛容さも持ち合わせています。そんな京都府のこれからの文化を育てる一員になれたら、という思いを抱き、京都府職員を志望しました。
現在の仕事内容についてお聞かせください。
現在は、文化芸術課に在籍し、主に2つの事業を担当しています。1つは、茶道に親しむ全国の高校生が集まり、流派を越えた高校生の新たな出会いと交流を目的にした「全国高校生伝統文化フェスティバル-茶道フェスティバル-」。もう1つは若手アーティストと他の領域の方々とをマッチングさせる「京都アートラウンジ」というイベントです。どちらのイベントでも、主催者やディレクターと協議し、企画・調整から当日の運営まで一貫して担当しています。
ある1日のスケジュール
時間 |
業務 |
内容 |
---|---|---|
8時30分 |
新聞記事等の確認 |
文化に関連するイベントやニュース、京都府が関わっている事業について取り上げられている記事を確認。 |
9時00分 |
広報物のチェック |
チラシやWebサイトなど、広報物の内容確認を行う。 |
10時00分 |
庁内で会議 |
事業の企画内容や当日の運営等について打合せ。 |
12時00分 |
昼休憩 |
|
13時00分 |
夕方からの出張の準備 |
持ち物や流れ、自分の役割等を確認。資料等にも再度目を通し、出席者から質問が出そうなことや補足が必要になりそうなことをある程度想定しておく。 |
14時00分 |
問い合わせ対応 |
府民の方やイベント参加者等、外部からの問合せに対応。 |
16時00分 |
イベントの会場で下見・打合せ |
イベントの運営に関わるスタッフが集まり、会場の下見や当日の動きについて確認を行う。 学校関係者や高校生が運営を担う場合は、丁寧に説明を行う。 |
17時30分 |
退勤 |
休日や退庁後の過ごし方
高校生の時に始めた演劇を今も続けており、所属している劇団の公演などの準備・稽古をしています。公演がない期間は、美術館や博物館などの展覧会に行ったり、日本各地の芸術祭に足を運んだり、好きなアイドルのコンサートに行ったりと、幅広い感性に触れるようにしています。
現在、担当されている業務で一番印象に残っている仕事は何ですか。
「全国高校生伝統文化フェスティバル-茶道フェスティバル-」は、茶道という飲食を伴う分野のため、コロナ禍の影響で、令和2~3年度はオンラインでの実施を余儀なくされました。色々な工夫をしましたが、やはり茶道は空間と時間を共有してこその文化です。本来の目的を果たしていないのではと感じていました。しかし、令和4年度は、感染症の情勢が変化し、対面での実施が実現しました。これまで電話やメール、画面越しでやり取りしていた先生方に、「ずっとお会いしたかった。生徒もこうして集まって開催できることをとても楽しみにしていた。」と声をかけていただいたことが、深く印象に残っています。
また、このフェスティバルは、京都府内の茶道部に所属する高校生の皆さんや顧問の先生方に、お茶席の運営を中心に、当日のスタッフとしてご協力いただいています。なかなか学校の外に出て活動する機会がない学校もあり、初めは緊張していた生徒さんが、業務を進めていくうちに、他校の生徒さんとも積極的にコミュニケーションを取りながらお客様をおもてなししている姿を見かけることがあります。そんな時、茶道を通した出会いや成長に少しでもつながっているのかなとやりがいを感じます。
今携わっている仕事のやりがいは何ですか。また仕事をする上でのポリシーを教えてください。
文化芸術の分野には正解がなく、法律や条例で縛られていることも少ないため、前例にとらわれず実践できる点にやりがいがあります。だからこそ、自分が関わる事業やイベントを「誰のために」「何のために」行うのかを常に考え、問い続けることを忘れないようにしています。
また、どんな事業でも、自分の力だけでは成り立ちません。上司や係員の皆さんはもちろん、委託先の事業者やイベント当日に動いていただく皆さんなどが結集して「チームで進める意識」を大切にしています。特に、私が担当してきた事業は、次世代を担う子どもや若い方を対象とした取り組みが多く、学校の先生や文化芸術関係者と一緒に進めるものがほとんどです。忙しい合間を縫って当日の運営についてご相談させていただいたり、慣れない事務手続きをやっていただいたり、負担をかけてしまう場面も多々あります。子どもたちのためにと熱心に関わる方々が無理なく参加できるよう、負担を軽減する方法の模索や、日頃のやりとりを丁寧に行うことを心がけています。
受験者に向けたメッセージをお願いします。
就職活動中、様々な不安を抱えていたことを思い出します。周りと比較して焦りを感じたり、迷いが生じたりすることがあるかもしれませんが、日頃の経験や熱中していること、好きなこと・ものを通して、考えたこと、感じたことを大切にしてほしいです。最後まで自分らしく頑張ってください。
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