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「幕末風聞書留 (ばくまつふうぶんかきとめ)」 |
大國家文書(おおくにけもんじょ) (寄託資料) |
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地下官人である大國家に残された記録です。大國家は尊王攘夷派の公家鷲尾隆聚(わしおたかつむ)や滋野井公寿(しげのいきんひさ)らとも交流があり、多くの風説書が残されています。 | ||
幕末に京都守護職として京都の治安維持にあたった会津藩主松平容保(まつだいらかたもり)を珍獣に譬(たと)えて揶揄(やゆ)したものです。 | ||
松平容保が美濃国高須藩の生まれで後に東北会津藩の養子となったことを踏まえて、「美濃ノ国山中に生し、それより東国江走り」としたり、「其形馬ノ如ク鹿の如ク」とからかい、各藩の紋所の形を物に譬えて好き嫌いをいったりと、機知と皮肉たっぷりの文章になっています。 | ||
<解読文>(全文解読 次頁まで含む) 狩野安房筆 一近年図ノ如クなる獣、美濃ノ国 山中に生し、それより東国江走り 深山にて成長し、後に田畑を 踏あらし、近比又ゑい山の麓に 来り住む、其形馬ノ如ク鹿の如ク、 異国之獅子ニ似り、依て夷人と 大に中よし、今者其勢つよくして 顔大きく鼻高く目ハ大きなれどもあきらかならず、耳ハ いたつて近く、惣身は青い毛にて尾長く、食を求て 乱妨す、腹大きく食たべ尽して、空腹ニ成時ハ、唯とろうとろう と泣く、依て轡をはめると猶いきおひつよくなり、或ハ花畠 に行遠く動す、立花伊賀栗奉書紙大なる柿の種 粟餅等を甚好むもの也、乍去此餅三ツと箸片しを遣ス 時ハ大にさわきかけ、逃る事妙なり、又物に恐るゝ時ハ火 を吹出し人家を焼荒し、諸人なん義ニ及ぶ、上方にてハ 恐ろ獅子とさわが獅子ともいふ、又六ケ獅子ともいふ、大坂 辺で物をつかみたるに依て情な獅ともいふ、江戸にてハ 嬉獅子といふ、中国にてハいまいま獅子ともくや獅子とも云、 此獣きん物多し、中にも茗荷たどん蝶々かしわ 鐘木なども禁物之所、此節にてハ鷹の羽九ツたんこ 菱之餅なんども嫌のよし、何分諸国一体ニいやき獅子と云、 此獅子殺さるれば日本国中の人々悦ひて、肉毛 も骨も粉ニ砕き食んと欲す、依て今ハ死後食と いふとかや |
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※解読文はホームページ掲載の都合上、一部編集・省略しています。 |