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学名 Nyctalus aviator Thomas, 1911
分類群 哺乳類
目名 翼手目
科名 ヒナコウモリ科
京都府カテゴリー 絶滅寸前種
環境省カテゴリー 準絶滅危惧(NT)
IUCN(2000) LR(nt)
哺乳類学会(1997) 希少
樹洞を昼間の隠れ家にするコウモリであり、それが存在する大木が激減し、樹洞が消失し、隠れ家がなくなりつつあるため。
日本ではヒナコウモリ科の中では最も大型であり、体毛や翼は濃い褐色、翼の形は狭く長いという特徴をもつ。
◎近似種との区別
同じ属の別種としてコヤマコウモリが日本から知られるが、本種はこれよりもはるかに大型である。
分布 北海道、本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
京都府で隠れ家として利用する樹洞はまだ発見されていないが、京都市内に生息するようである。
夕方に隠れ家から飛び出して、飛翔する昆虫類を採餌する。昆虫類が飛ばない冬期には冬眠するものと思われる。初夏にコウモリ類では珍しく1回に2子を出産する。出産と子育てはメスの集団で行われ、その時にオスは小さい集団を作り分散する。
京都市動物園にかつて救護動物として1頭が持ち込まれたことがあるという。京都市内の上賀茂神社あたりに大木があり、生息の可能性があると想像し、数回飛翔の調査を行ったが、確認できていない。ただし、知り合いの友人が京都府立植物園の近くで本種特有の鳴き声を一度聞いたという。市内のどこかに少数ながら生息している可能性がある。本種は原生林の中央部というよりも、むしろその周辺部や社寺に残されている大径木を好んで昼間の隠れ家として利用することが知られている。府内には大径木をもつ社寺が多くあるので、本種の隠れ家が近いうちに発見されるであろう。京都御所をはじめとし、大径木を多く残す神社などの調査が早急に必要である。
昼間の隠れ家、すなわち照葉樹をはじめとする大径木のある原生林の消失。
まず、本来の昼間の隠れ家である樹洞を今後一切減少させない。大径木の樹木を伐採しない、現在残されている大木を全て保存する。また多くの社寺に残されている大径木は老朽化し倒木のおそれがあるとして伐採される傾向にあるが、これをやめる。
執筆者:前田 喜四雄
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