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平成12年4月1日以降に買主に引き渡された新築住宅については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)に基づき、当該新築住宅の主要構造部分や雨水の浸入防止部分に隠れた瑕疵(欠陥)が発見されたときは、売主は10年間の瑕疵担保責任を負うこととされていますが、平成17年に発覚した構造計算書偽装問題を契機に、売主が倒産等をした場合に瑕疵担保責任が十分に履行されない等、買主等が極めて不安定な状態におかれることが明らかになりました。
このため、買主等の利益の保護を図るため、平成19年に「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成19年法律第66号)(「住宅瑕疵担保履行法」)」が制定され、新築住宅の売主である宅地建物取引業者等に資力確保措置を義務付け、新築住宅の瑕疵担保責任を履行するための措置の充実・強化が図られました。
新築住宅の売主である宅地建物取引業者は、平成21年10月1日以降に買主に引き渡す新築住宅について、引き渡し後10年間の瑕疵担保責任を果たすため、その資力確保措置として新築住宅の欠陥部分の補修に要する費用を確保(保証金の供託又は保険加入)しなければならなくなりました。
これにより、売主である宅地建物取引業者から当該新築住宅の引き渡しを受けた買主は、万が一、宅地建物取引業者が倒産等により、新築住宅の欠陥部分の補修等が行われない場合でも、保証金からの還付や保険金からの支払いにより、新築住宅の補修等に必要となる費用の弁済を受けることが可能となります。
売主の宅地建物取引業者には、平成21年10月1日以降に引き渡す新築住宅から資力確保義務が課せられています。(平成21年9月30日以前に引き渡された新築住宅にあっては、売主の宅地建物取引業者に資力確保措置は課されていません。)
新築住宅の資力確保措置が義務付けられるのは、所有者となる買主又は発注者に新築住宅を引き渡す「宅地建物取引業者」又は「建設業者」です。
この法律の適用を受ける住宅は、平成21年10月1日以降に買主に引き渡される新築住宅(建設工事完了日から1年以内のもので、人の居住の用に供したことのない住宅)です。
したがって、戸建住宅・分譲マンション・賃貸住宅等は、資力確保義務の対象となりますが、「事務所・倉庫・車庫等」は住宅ではありませんので、資力確保措置の義務はありません。
※売買契約時点において、建設工事完了日から1年以内の住宅は、仮に引き渡しが当該完了日から1年を経過していたとしても新築住宅となり、資力確保措置が必要となります。
新築住宅の資力確保措置が義務付けられる瑕疵(欠陥)の範囲は、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に係る欠陥部分です。
新築住宅を引き渡す売主の宅地建物取引業者は、買主に対する瑕疵担保責任を確保するため、一定金額の「保証金を供託」する、又は「指定保険法人と保険契約を締結」する必要があります。
これにより、仮に宅地建物取引業者が倒産したとしても、保証金の還付又は保険金からの支払いにより、瑕疵の補修に要する費用が買主に支払われることが可能になります。
※パンフレットは、こちらをご覧ください。
・消費者向けパンフレット(A4)( PDFファイル ,1MB)(PDF:1,782KB)
・消費者向けパンフレット詳細版(A3)(PDF:777KB)
・消費者向けパンフレット(保険編)(PDF:777KB)
住宅瑕疵担保履行法の施行(平成21年10月1日)に伴い、平成21年以降に新築住宅を買主に引き渡す売主の宅地建物取引業者は、買主に対して資力確保措置(「保証金の供託」又は「保険加入」)の内容について、宅地建物取引業法等に基づく重要事項の説明等をしなければなりません。
平成21年10月1日以降に引き渡す新築住宅に係る資力確保措置として、売主の宅地建物取引業者が「保証金の供託をした(する予定)場合」は、宅地建物取引業法及び住宅瑕疵担保履行法に基づき、買主に対して、「供託の内容等」について説明等をしなければなりません。
買主に対する説明等 | 説明等の時期 | 説明等の内容 |
---|---|---|
重要事項説明書の交付・説明 (宅地建物取引業法第35条) |
売買契約の締結までに | ・保証金を供託する旨 ・保証金を供託する供託所の名称、所在地 ・共同分譲の場合における瑕疵負担割合 |
住宅瑕疵担保履行法第15条の規定による書面の交付・説明(※) (住宅瑕疵担保履行法第15条) |
売買契約の締結までに | ・保証金を供託する旨 ・保証金を供託する供託所の名称、所在地 ・共同分譲の場合における瑕疵負担割合 |
宅地建物取引業法第37条の規定による書面の交付 (宅地建物取引業法第37条) |
売買契約の締結後、遅滞なく | ・保証金を供託する旨 ・保証金を供託する供託所の名称、所在地 ・共同分譲の場合の瑕疵負担割合 |
※ 住宅瑕疵担保履行法に基づく書面の交付・説明は、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書の交付・説明を行うことにより、代替することが可能となります。
平成21年10月1日以降に引き渡す新築住宅に係る資力確保措置として、売主の宅地建物取引業者が「保険加入(住宅瑕疵担保責任保険)をした場合」は、宅地建物取引業法及び住宅瑕疵担保履行法に基づき、買主に対して、「保険の内容等」について説明等をしなければなりません。
買主に対する説明等 | 説明等の時期 | 説明等の内容 |
---|---|---|
重要事項説明書の交付・説明(※) (宅地建物取引業法第35条) |
売買契約の締結までに | ・指定保険法人の名称 ・保険期間 ・保険金額 ・保険の対象となる瑕疵の範囲 |
宅地建物取引業法第37条の規定による書面の交付(※) (宅地建物取引業法第37条) |
売買契約の締結後、遅滞なく | ・指定保険法人の名称 ・保険期間 ・保険金額 ・保険の対象となる瑕疵の範囲 |
保険証券等の交付 (住宅瑕疵担保履行法第11条第2項) |
指定保険法人から保険証券等の交付を受けた後、遅滞なく | ・保険証券又はこれに代わる書面 (指定保険法人から発行される保険付保証明書等) |
※ 保険契約の内容を示した書類(保険契約における重要事項説明書等)を別添として使用することになります。
平成21年10月1日以降に買主に引き渡す新築住宅に係る売買の媒介等を行う宅地建物取引業者は、買主に対して、資力確保措置(「保証金の供託」又は「保険加入」)について、重要事項説明において説明等をしなければなりません。
なお、売買の媒介等を行う宅地建物取引業者は、新築住宅の売主ではありませんので、住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置自体は必要ありません。
中古住宅を販売する場合やその代理・媒介を行う宅地建物取引業者は、買主に対して「当該住宅は中古住宅であり、資力確保措置の義務の対象外であり、その措置を講じない(講じられていない)」旨の説明を行う必要があります。
平成21年10月1日以降に新築住宅を買主に引き渡す宅地建物取引業者が、住宅瑕疵担保履行法で義務付けられた資力確保措置の義務を履行しない、又はその重要事項の説明をしない等のときは、同法に基づく罰則が科されるほか、宅地建物取引業法に基づく監督処分の対象になります。
違反事例 | 住宅瑕疵担保履行法 | 宅地建物取引業法 |
---|---|---|
資力確保措置(供託もしない、保険にも加入しない)をしない場合 | 新たに新築住宅に係る売買契約が締結できない(行為制限) | 監督処分の対象 |
・届出をしない場合 ・届出内容が適正でない場合 ・内容に虚偽がある場合 |
50万円以下の罰金 | 監督処分の対象 |
新規の売買契約が締結できないのに契約した場合 | 1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金 | 監督処分の対象 |
売買契約締結までに供託に関する説明をしない場合 | - | 監督処分の対象 |
売買契約締結までに保険に関する説明をしない場合 | - | 監督処分の対象 |
住宅瑕疵担保責任保険が付された新築住宅の売主である宅地建物取引業者と買主との間で瑕疵に関して紛争が生じた場合には、「指定住宅紛争処理機関」(外部リンク)において、適切かつ迅速な紛争処理が受けられます。具体的には売主又は買主が「指定住宅紛争処理機関」に申請して、「あっせん」「調停」「仲裁」を受けることができます。
なお、「指定住宅紛争処理機関」に対しては「住宅紛争処理支援センター」が支援・助成を行っています。
住宅紛争処理支援センターの相談窓口はこちらをご覧ください。(外部リンク)
TEL03-5253-8111(代表) URL:http://www.mlit.go.jp(外部リンク)
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