選定理由 |
全世界に分布し、日本でも全国に広く分布する。池や水田の水面に浮遊したり、水田などの湿地の土上に生え、かつては日本全国で普通に見られたが、近年、急速に生育地が減少している。京都府においても、かつては秋から冬にかけて稲刈りの終わった水田の土上に普通にみられたが、近年、かつての生育地でも見られない場所が増えており、絶滅が危惧される。 |
形態 |
植物体はイチョウの葉のような形をした葉状体で、光沢のある緑色であるが、しばしば赤紫色を帯びる。葉状体は長さ1〜1.5cm、幅4〜8mm、二又状に分枝する。気室は数層で、気室孔は小さいが明瞭。腹鱗片は密につき、紫色、長いリボン状で縁に微鋸歯がある。
◎近似種との区別
1属1種で、近縁のウキゴケ属の種からは葉状体に明瞭な気室孔があることで区別できる。 |
分布 |
本州〜琉球列島、世界各地。
◎府内の分布区域
府内全域。 |
生態的特性 |
池や水田の水面に浮いている場合と、水の落ちた水田や畑などの土上に生育する場合がある。土上に生育するものは冬に枯れるが、暖かいところでは冬を越すものもある。 |
生息地の現状 |
稲刈りの終わった水田の土上に稀に見られる。 |
生存に対する脅威 |
除草剤や農薬の使用による水質汚染。水田などの農地の整備。 |
必要な保全対策 |
農地の整備や除草剤・農薬の使用の際は、生物に対して十分に配慮する。 |