選定理由 |
府内の産地は京都市鞍馬のみと希産。樹幹などから垂れ下がる懸垂性の蘚類で生育には高い空中湿度が要求される。懸垂性の蘚類は環境変化に鋭敏で環境指標植物とも成り得る。 |
形態 |
和名のとおり、渓谷沿いの灌木樹枝上等から糸状に垂れ下がる。同属のキヨスミイトゴケに似るがより細く、葉も小さく、葉身細胞に2〜4個の小さなパピラが1列に並ぶ。
◎近似種との区別
キヨスミイトゴケでは葉身細胞のパピラが普通1個である。 |
分布 |
本州(中部以西)〜九州:中国大陸、北米南部、メキシコ。
◎府内の分布区域
京都市左京区鞍馬山山門付近、園部町瑠璃渓。 |
生態的特性 |
渓谷沿いの空中湿度の保たれた樹枝上、樹幹上に生育する。 |
生息地の現状 |
鞍馬周辺では本種を確認することができなかったが、周辺の樹林はよく保たれている。今のところ、生育環境は安定しているものと思われる。 |
生存に対する脅威 |
森林伐採による空中湿度の低下。大気汚染。 |
必要な保全対策 |
環境の変化に鋭敏な種であるので、生育地周辺の開発について慎重に注意を払う必要がある。 |