選定理由 |
渓流沿い植物であり、増水時水に浸るような樹幹上に生育する。日本海側要素で、芦生の産地は国内の生育西限であり分布上重要である。 |
形態 |
茎は普通15cm前後。葉はややまばらにつき、長さ約4mm、狭卵状披針形で鋭頭。中肋は葉先に達し、葉身は中肋部で縦に折り畳まれる。葉縁は全周にわたり明瞭に半曲し、葉先には小さな歯がある。葉身細胞は線形〜線状菱形で長さ100〜120μm、薄膜。
◎近縁種との区別
本種はクロカワゴケに似るが、葉形は披針型、葉縁は半曲することと、葉頂に達する中肋があることで区別される。 |
分布 |
北海道〜本州。日本固有。
◎府内の分布区域
美山町京都大学芦生演習林長治谷。 |
生態的特性 |
川岸や湖沼周辺の増水時に水に浸るような木の根元、樹幹上。 |
生息地の現状 |
芦生長治谷では、限られた地点のみにわずかに生育しているのが確認された。 |
生存に対する脅威 |
森林伐採、河川改修による生育環境の破壊。 |
必要な保全対策 |
生育地周辺の樹林、水系の維持に細心の注意が必要である。 |
その他 |
日本固有種 |