選定理由 |
山地の樹幹に着生するが、稀である。府内でも2ヶ所で記録されたのみである。樹幹着生で大気汚染や微環境の変化に敏感であり、減少傾向にある。 |
形態 |
茎は長さ3〜5mm。葉は長さ1〜1.5mmで披針形、斬尖し、縁はあまり暗くならない。葉身細胞は丸みのある方形で大きく、長さ10〜20μm、厚角、平滑。剳ソは長さ1〜1.5mm。雌苞葉は鞘状となって、剳ソを包む。
近似種の区別府内に普産する同属のサヤゴケよりもっと小型で、中肋が葉先のはるか下で終わることで区別される。 |
分布 |
本州〜九州:中国大陸。
◎府内の分布区域
京都市左京区八丁平、天ヶ岳で記録されている。 |
生態的特性 |
自然度の高い林内の樹幹に着生する。 |
現状・脅威・対策 |
これまで天ヶ岳でのみ生育が確認されていたが新たに八丁平でも確認された。八丁平では樹幹上に安定した群落を維持している。
森林伐採が生存に対する主要な脅威と考えられる。樹幹着生種は大気汚染、乾燥化などに鋭敏であり、森林伐採や周辺開発は慎重に行う必要がある。 |