選定理由 |
現在も発生しており、寄生が同じジャコウアゲハに影響を与えていると考えられるため。 |
形態 |
細長い尾状突起が特徴的な小型のアゲハチョウ。前翅長は26〜32 mm。オスの翅の地色は白いが、メスの翅は黒斑が発達し全体に黒っぽい。
◎近似種との区別
本種と見誤るような種は国内には分布しない。 |
分布 |
朝鮮半島〜中国大陸、沿海州に分布する種で、日本には1978年に東京都で初めて発生が確認され、関東地方各地に分布を広げた。1993年には京都府でも発見され、その後、岐阜県〜福岡県に至る地域で、局地的に記録されており、一部では現在も発生を続けている。チョウの愛好家が、最初、韓国から違法に持ち込んで飼育したものを放チョウし、さらにその子孫が各地で人為的に放チョウされたものと考えられる。
◎府内の分布区域
南部地域の木津川で現在も発生を続けている。 |
生態的特性 |
多化性で、春〜秋まで数回世代を繰り返す。幼虫の食草はウマノスズクサで、メス成虫は食草の葉裏に数個から数十個の卵を産みつける。若齢幼虫は集合しているが、終齢になると単独でいることが多い。越冬態は蛹。成虫の飛翔は非常にゆるやかである。 |
生息地の現状 |
ウマノスズクサが生える堤防とその周辺で発生しているが、発生地はかなり局所的である。しかし発生地での個体群密度は非常に高く、多数の成虫が見られるほか、幼虫が発生地周辺のウマノスズクサを食いつくすほどである。 |
在来種等に与える脅威 |
同じウマノスズクサを食べるジャコウアゲハなどの発生に影響を与えていると考えられる。ただし、ホソオチョウの発生地はかなり局所的なので、ジャコウアゲハは少し離れた場所では普通に発生しているため、ジャコウアゲハがすぐに絶滅してしまうことはないと考えられる。 |
必要な駆除対策など |
農業害虫ではないため、駆除は一切行われていない。しかし、今後も人為的な放チョウにより分布地域が広がる可能性が高い。在来種などへの影響を考えると、分布の拡大を防ぐために、駆除も検討すべきである。発生地での個体数は多いが、局所的なので、集中的な採集を行えば駆除することはできると考えられる。生態系への影響が大きい殺虫剤などの散布は行うべきではない。 |
その他 |
外来種 |