選定理由 |
平地から低山地にかけての広葉樹林に生息するカミキリムシで、取りたてて特殊な生態や寄主植物特異性を有するわけではないにもかかわらず、近年なぜか全国的に個体数を減じている。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(IV)[保育社,1984]第9図版図18を参照。体長8.5〜13.5mm。体は赤褐色。上翅は中央から前方にかけて4つの明色紋をそなえ、その周辺はやや暗色となる。触角はオスでは上翅端を少し越え、メスでは届く程度。中、後腿節は後半で強く肥大する。 |
分布 |
北海道(南部地域)、本州、四国、九州、対馬、屋久島、奄美大島、徳之島。国外では台湾、朝鮮半島、インドシナ半島。
◎府内の分布区域
ほぼ全域で記録がある。 |
生態的特性 |
成虫は晩春から盛夏にかけて出現し、クリの花に好んで集まるほか、夜間灯火に飛来する。幼虫はクリ、クヌギ、コナラ、ミズナラなどの枯木に穿孔する。 |
生息地の現状 |
府内ではほぼ全域から記録があり、少なくとも1980年頃までは各地で採集されていたが、最近の採集例を確認できない状況である。 |
生存に対する脅威 |
個体数を減じている理由は不明であるが、家庭用燃料としての柴、タキ木の廃止による低山地の雑木林の減少が一因かと思われる。 |