選定理由 |
舞鶴市の本土側でも希に得られるが、冠島には比較的多い。主として温暖地の照葉樹林帯に生息し、分布も局所的である。 |
形態 |
体長21〜36mm。大型で肥厚し特に前胸背板は中央が縦に、上翅基部から後方に隆起が著しい。全身に密布する小型の灰黄色鱗片で薄い灰褐色に見え、黒色鱗片の集合で前胸背板中央前方に横位の1対の小黒紋を、上翅には黒色及び褐色の鱗片による大型半月型の斑紋を外側縁中央にもつ。南西諸島南部から東南アジアに分布する原名亜種オオフタモンウバタマコメツキ( C. larvatus(Candeze))では上翅末端が横位で三角形状にはならない。 |
分布 |
当初、九州、本州の資料で独立種として記載され、後に東南アジアに広く分布する種類の日本固有亜種と見なされた。現在の分布域は新潟・千葉の両県を東北限として以西の本州各地、四国、九州、付属諸島及び久米島までの南西諸島。
◎府内の分布区域
舞鶴市西舞鶴地区及び冠島から記録。ウバタマコメツキ( C. berus(Candeze)) は府内全域のアカマツ・クロマツの多い林地で普通であるが本種の棲息域は限られ、温暖地の照葉樹林帯で見られる。 |
生態的特性 |
夏期の遅い時期7〜8月に得られることが多く、寺社林などの原始林的遺存林近辺での燈火集来性が強い。幼虫は照葉樹など闊葉樹の樹皮下で生活し補食性である。 |
生息地の現状 |
寺社林や冠島のような、温暖な地域の樹林をもつ環境が保全されている地域にのみ限定的に発見されている。 |
その他 |
日本固有亜種 |