選定理由 |
主として外洋性海浜地区に生息し、分布も局所的である。京都府では若狭湾内の冠島に極めて多くの個体群が見られるが、対岸の本土側沿岸地で採集された記録はない。 |
形態 |
体長7.5-12.5mm。扁平幅広、黒褐色で触角と脚部は多少とも赤褐色で、前胸背後角又は全身が希に赤褐色の個体もある。ヒメサビキコリ( A. scrofa(Candeze))に体長・体色・外形共に良く似ているが、下翅が常に退化縮小している。また近似のツシマヒメサビキコリ( A. tsushimensisOhira)とは触角第3節が長円錐形で異なる。 |
分布 |
タイプ産地は石川県舳倉島で日本海側では京都府冠島・島根県沿岸、太平洋側では千葉県から九州などの付属小諸島沿岸地などと対馬に広く分布し、瀬戸内海の沿岸地からの記録もある。
◎府内の分布区域
舞鶴市冠島海岸の砂礫地帯でのみ見られる。 |
生態的特性 |
これまでの記録では4〜8月に亘って採集されている(成虫のみ)。常に海岸の水際から離れた堆積物や岩石片の間などで見られ、小型の海浜性節足動物を補食している。 |
生息地の現状 |
冠島はオオミズナギドリ繁殖地として保護されており、無人島でもあり環境的には恵まれた地で、本種の発見時点(1950年代)での生息個体数の多さから考えると、此の島の環境が現状で維持されるなら安定を保つであろう。ただし、海洋汚染は海浜性昆虫である本種へ着実に影響を与える恐れはあるものと思われる。 |
その他 |
日本固有種 |