選定理由 |
タイプ産地:京都府井手町木津川河原。他地方では個体数が少ないが、タイプ産地では極めて生息密度が高く、多数の個体が見られる。 |
形態 |
体長6〜9mm。扁平幅広で黒色で触角、前胸背後角及び脚部は多少とも赤褐色が普通で、希に全身が赤褐色の個体もある。ヒメサビキコリ( A. scrofa (Candeze), 8-11mm)より一般に小型で、赤褐色部が多く体表点刻が常に大型円形極めて密で、前胸側縁部が後半で明瞭に狭まらず、共に下翅は完全で飛翔可能。またハマベオオヒメサビキコリ( A. tsukamotoi(Kishii))及びツシマヒメサビキコリ( A. tsushimensis Ohira)では下翅がつねに退化縮小し飛翔不能。 |
分布 |
本州の関東以西、伊豆大島・四国・九州から知られ韓国の済州島にも分布する。
◎府内の分布区域
タイプ産地以外として舞鶴市、京都市嵯峨、同南区久世、宇治市、八幡市で得られている。 |
生態的特性 |
これまでの記録では1〜8月に亘って採集されている(成虫のみ)。河川敷の水際より遠い石塊や堆積物の下で見られ補食性であるが、詳しい生態は不明である。 |
生息地の現状 |
最近の河川敷の状況は人工的にコンクリート等で造成されたところが多く、自然の堆積物などが放置される状況が少なくなり、本種にとっての生息環境は著しく悪化したと言わざるを得ない。しかし分布域が極めて広いので種としての存続ではさしあたっての危機的な問題はないであろう。 |