選定理由 |
かつて京都市で1例記録があるのみ。丹後地域の箱石海岸には確実に分布しているが、近年激減している。 |
形態 |
体長13〜20mm、体は黒色で腹部に灰青色の微毛からなる線斑がある。 |
分布と生態的特性 |
本州、四国、九州に分布。府内では丹後箱石海岸に分布。京都市では瓜生山で1例(オス)のみ記録がある。琴引浜など海岸砂丘の発達している日本海沿岸地域には、調査は不十分であるが、生息が期待される。本種は、箱石海岸では1970年代には砂地に穴居するイソコモリグモの穴に侵入して、攻撃することを観察しているが、狩猟・営巣行動の詳細は不明。内陸部にはイソコモリグモは分布しないので、別の徘徊性のクモも狩っていると思われるが、これまた不明。 |
生息地の現状と保全対策 |
少なくとも獲物になっているイソコモリグモが重要であるのはもちろん、海岸砂丘の海浜植生、クモの餌になるゴミムシなどの歩行性昆虫など、海岸砂丘の生物群集の生息環境を豊かに保全することが必要。箱石浜は、山陰海岸国立公園内であり、車両の乗り入れが禁止されているが、違法な侵入が後を絶たず、希少な海浜植生や砂地表面の破壊が続いている。また、大量の漂流物の打ち上げも、砂浜の環境を著しく悪化させている。海岸砂丘の自然環境の保全対策が強化される必要がある。 |
その他 |
日本固有種 |