選定理由 |
府内での分布は局地的で、産地が少ないため。 |
形態 |
前翅長28〜40mmの大型のシロチョウ。オスは黄色、メスは淡黄白色の翅をもち、前翅と後翅の中室端に赤褐色の紋があり、前翅端と後翅端が突出する特徴的な翅形をしている。
◎近似種との区別
ヤマキチョウと酷似するが、ヤマキチョウの方が翅に厚みがあるように見え、前翅や後翅の外縁がヤマキチョウでは赤桃色になっていることなどで区別できる。 |
分布 |
本州、四国、九州、佐渡島。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後町、峰山町、大宮町、舞鶴市、夜久野町、福知山市)、中部地域(和知町、亀岡市)、南部地域(京都市)などの記録があるが、分布は局地的である。以前は京都市でも見られたが、南部地域では最近姿が見られなくなった。
◎近似種との比較
ヤマキチョウは東北・中部地方に分布し、近畿地方には分布しない。 |
生態的特性 |
年1化性で、成虫は6月下旬〜7月に羽化する。その後、夏眠に入り、秋に再び活動後、成虫で越冬する。越冬後の成虫は早春に活動を再開し、5月頃までに産卵を終える。幼虫の食樹はクロウメモドキなど。 |
生息地の現状 |
京都市のかつての生息地では、食樹のクロウメモドキが減少したことが衰亡の原因の一つと考えられる。 |
生存に対する脅威 |
幼虫の食樹であるクロウメモドキがもともと少ないため、道路の拡張工事や河川改修工事、開発などによって、食樹が伐採されると大きな影響がある。 |
必要な保全対策 |
幼虫の食樹であるクロウメモドキが生える環境を保全する必要がある。 |