選定理由 |
全国的に見ると非常に減少している。府内には産地が残されているが、今後減少する危険性が高いため。 |
形態 |
前翅長17〜23oの大型のシジミチョウ。オスの翅表は暗紫藍色、メスの翅表は黒色で淡青白色斑がまばらにあるが、中には白斑の発達した個体も見られる。裏面は淡褐色であるが、明るさには変異が多い。
◎近似種との区別
本種と見誤るような近似種はいないが、メスは稀にゴマシジミ(京都府には分布しない)と誤認されることがある。 |
分布 |
本州、四国、九州、対馬に局地的に分布する。
◎府内の分布区域
北部地域(弥栄町、宮津市、大江町、夜久野町)と南部地域(京都市、精華町、加茂町、和束町、笠置町)から記録されているが、分布は局地的。 |
生態的特性 |
年1回、7〜8月に発生する。アブラムシやアリと密接な関係をもっており、植物に産卵された卵は約1週間で孵化し、アブラムシやキジラミなどの分泌物を摂取するが、2齢後期になるとクロオオアリによって巣内に運ばれ、アリの巣内で成長し、翌年6〜7月頃蛹化する。オスは夕方になると敏速に樹上を飛翔する。 |
生息地の現状 |
雑木林やその周辺の草地が主な生息地となっているが、分布は局地的である。 |
生存に対する脅威 |
開発や草地の放置に伴う遷移の進行によって、生息環境が変化し、衰亡していく可能性がある。 |
必要な保全対策 |
本種の生息地は伐採後、数年経てった若い林や、林縁の草地など、人手が加わった環境である。したがって、本種の保護のためには定期的に人手を加えて、生息に適した環境を維持していく必要がある。 |