選定理由 |
府内では分布が局限され、産地が少ないため。 |
形態 |
前翅長13〜19mm。雌雄とも翅表は黒色で後翅に尾状突起がある。裏面は乳灰白色の地にやや大きな黒斑が散らばり、後翅肛角には橙赤色斑がある。京都府産は裏面の黒斑のが小さい傾向がある。
◎近似種との区別
ウスイロオナガシジミにやや似るが、ウスイロオナガシジミは後翅表面に灰白斑があり、裏面の地色は灰褐色で、黒斑以外に黒条があることなどで容易に区別できる。 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州に分布するが、西日本では分布は局地的。
◎府内の分布区域
中部地域(和知町、美山町、京北町)から記録されているが、分布は局地的である。
◎近似種との比較
ウスイロオナガシジミは中部地域と北部地域の山地を中心に局地的に分布する。 |
生態的特性 |
幼虫の食樹のオニグルミが生える渓流沿いが主な生息地である。年1化性で、成虫は8月上旬頃羽化する。食樹の枝などに産み付けられた卵(卵内幼虫)で越冬する。 |
生息地の現状 |
確認されている生息地の環境は比較的安定しているが、発生地は狭い範囲に限定される。 |
生存に対する脅威 |
道路や河川の改修などに伴って、幼虫の食樹がなくなる危険性がある。 |
必要な保全対策 |
発生地とその周辺の環境を保全する必要があるが、産卵はどちらかというと若い木に行われるので、ある程度の林の更新も必要である。道路や河川の改修工事に当たっては十分な配慮が必要であろう。府内には、中部地域を中心に未発見の産地があると思われるので、継続的な調査が必要である。 |