選定理由 |
アリジゴクは一般に地表面下に生息するが、本種は岩壁や樹皮の表面といった地上部に生息し、世界的にも大変めずらしいアリジゴクである。アリジゴクの進化を考える上で貴重な種である。 |
形態 |
成虫の体長は18〜22mm、前翅長は21〜28mm。黄褐色の体色をもち、翅には茶褐色の斑紋が散在する美しい種である。幼虫はツノトンボ幼虫に似た特異な形態をもつ。 |
分布 |
本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
京都市伏見区、宇治市等。 |
生態的特性 |
地衣類の繁茂する岩壁や樹皮の表面にへばりついている。背中にも地衣類を付着させ、周囲の環境に完全にとけこんでいる。 |
生息地の現状と保全対策 |
山間部の地衣類のはえた半日影の環境が必要である。本種が適合した地衣類は、樹木の伐採や大気汚染により容易に死滅するので、生息環境の保全には注意を要する。 |