選定理由 |
極めて特殊な環境に生息する種で、環境指標性が高い。またこれまで2ヶ所の産地しか知られていず、今回発見された京都府は、最近唯一の確実な産地である。 |
形態 |
小型の種で、胸部は銀白色に輝く美麗種である。アシナガバエは非常に類似した種が多数あり、同定は専門家による。 |
分布 |
本州の東京都(高尾山)と神戸市で、ともに1937〜8年の記録。
◎府内の分布区域
八幡市石清水。 |
生態的特性、生息地の現況および保全対策等 |
おそらく幼虫、成虫ともに捕食性。滝壺の付近の飛沫がかかり、常に濡れている石の上で発見された。付近の他の環境からは発見されず、さらに他の河川や渓流の詳しい調査でもまったく採集されていないので、このような環境に固有の種と考えられる。石清水でも1ヶ所からごく少数の個体が得られたのみ。アシナガバエやオドリバエには、このような渓流の濡れた石の上に現れる種が何種か知られるが、本種は特に生息環境が特殊で狭い。このような環境は砂防堤の設置によって大きく変化する。今回の調査だけでは十分でないとしても、生息地、個体数とも減少していると考えられる。継続的調査と産地の環境の保全が重要。 |