選定理由 |
主に水田や湿地に見られる種で、環境指標性がある。また全国的に個体数が著しく減少している。 |
形態 |
中形の種で、体は太く、黒色。胸部は光沢があり、側縁は黄色。腹部には、前縁が波打った顕著な斑紋があり、生時は青色の幻色を呈し、死後は黄色に変化する。翅は透明。 |
分布 |
日本(北海道、本州、四国、九州)、中国大陸、台湾。
◎府内の分布区域
南部地域。 |
生態的特性および生息地の現況 |
幼虫は水棲で、尾端を水面に出して呼吸する。イネの根を食害した記録があるが、一般にこの属の種は肉食。古くは水田に普通に見られたという。京都府では1930年代には南区の市街地でも採集されている。しかしその後の記録はまったく途絶えてしまった。南部地域の水田地帯では絶滅した可能性が高い。原因が明確にされたわけではないが、おそらくは水田への薬剤散布が最も大きな影響を与えたと推測される。なお他地域の調査では、山地でも採集されているので、中部地域ではいまだ生息している可能性があるが、今回の調査では発見できなかった。 |