選定理由 |
生息域が限られ個体数が少なく、時に京都府では1か所の産地しか知られていない。河岸の林に生息するため、生息環境自体が失われやすい。また、環境指標性も高い。 |
形態 |
身体は細く、黄褐色。翅は透明で細かい翅脈が目立つ。脚は著しく長い。極めて近似した種が多くあり、同定は雄外部生殖器を含めて調べる必要がある。 |
分布 |
本州、四国に分布。
◎府内の分布区域
京都府では加茂町の木津川河岸のみから知られる。ただし地域によって生息環境が異なり、かつ形質的な差異が指摘されている。 |
生態的特性・保全対策等 |
詳しい生態は不明であるが、幼虫はおそらく林内の地表に生息する。成虫は林縁に見られ、捕食性で、飛翔中の小昆虫を脚で捕らえることができる。また、この仲間はオスがメスに獲物を差し出し、雌が摂食中に交尾するという奇習が知られる。本種はかつては広い河川の河岸段丘上の林や、あるいはさらに平地の林に広く分布していたと思われる。しかし、次第に開発や河川の改修などによって生息域を狭められ、現在わずかな生息地を残すのみとなったと考えられ、個体数も少なく絶滅の脅威にさらされている。差し当たりは、残された環境を十分に保護することが重要である。 |