選定理由 |
ブナに依存するカミキリムシで、日本国内の分布は比較的広いが、いずれの産地でも個体数は少ない。府内ではブナ原生林が残る地域でのみ確認されている。 |
形態 |
体長25〜35mm。体は黒色。前胸背と上翅は灰白色の微毛で覆われ、霜降り条の斑紋を形成する。触覚はオスでは体長の1.7〜1.8倍、メスでは1.1倍。 |
分布 |
本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
京都市左京区比叡山、美山町芦生演習林と佐々里峠、大江町大江山などから記録されている。 |
生態的特性 |
ブナ林に生息するが個体数は少ない。成虫は盛夏に出現し、ブナの生木に集まるほか、深夜に灯火に飛来する。幼虫はブナの古木の根ぎわに穿孔する。 |
生息地の現状 |
芦生の京都大学演習林と大江山には良好なブナ原生林が残されており、これが保全される限りただちに絶滅のおそれはない。比叡山では古い記録があるのみで、現在の生息は絶望的である。 |
生存に対する脅威 |
ブナ原生林の伐採、消滅。 |
必要な保全対策 |
ブナ原生林を保存すること。 |
その他 |
日本固有種 |