選定理由 |
タイプ産地:京都市東山日吉神社。京都では他に比叡山・桂川右岸の何れも京都市内での3個体が知られる。全国的希少種で局所的分布をする。 |
形態 |
体長10〜14.5mm。強固で長楕円形、肥厚し背面は弱く圧平、平行状で光沢は普通。濃赤褐色でチョコレート色に近く、触角・前胸背周縁部・小盾板・上翅基部・脚部は多少とも明赤褐色で、雌は濃色で黒味が勝る。体毛は褐色で長く直毛で密。触角は細長いが雄では先端節が前胸背後角端に達する程度で雌ではより短い。第2節は短倒円錐形状、第3節は長三角形に近く雄では前節の1.5倍を、雌で1.3倍を越える。前胸後角に2隆起線を持ち内側のものは極めて顕著、外側のものは極めて不明瞭で短い。点刻は小さく、二重状で疎。
◎近似種との区別
アラハダチャイロコメツキ( R. rugipennis (Lewis))と近縁で、これは触角第3節が短く第2節より僅かに長く、前胸背板点刻がより密で大きい。 |
分布 |
石川、三重、京都、奈良、兵庫、鳥取、宮崎から知られるが、局所的で少ない。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市・乙訓地区):比叡山・松尾桂川右岸・日吉神社から2雄1雌が得られている。 |
生態的特性 |
燈火に集来した例が多いが、西京区松尾桂川右岸で得られた雄は12月に河原の石下で越冬中のものであった。その他詳細は不明である。 |
生息地の現状 |
これまでの少ない採集例ではほとんどが市街地に近い寺社林などの目立つ所であった。 |