選定理由 |
希少種で京都では東山からの1例(パラタイプ標本)のみ。 |
形態 |
体長18.5〜22.5mm。強固で細長くやや平たいが背面は隆起し肥厚しほぼ平行状。黒色で、脚部は赤褐色、光沢は強くやや真鍮色を帯びる。体毛は白黄色と濃赤褐色の2色で光沢をもち、長く直線状で密布し、前胸背面では前者がほとんどで不明瞭な斑紋状を呈し、上翅ではほぼ後者に被われ、その中に白黄色毛の集合した不規則形斑紋が片側に十数個ある。前胸背板点刻は小型で密、中央では単純やや疎で側方に向け大きく二重状で密布。
◎近似種との区別
同属種は日本から25種(2亜種を含む)知られ、雄生殖器側片先端鈎状構造の形状が種毎に異なる。近似種にはオオシモフリコメツキ( A. orientalis (Candeze))とヨコヅナシモフリコメツキ( A. giganteus Kishii)があり、前者は京都府で普通で雄生殖器側片形状で異なり、後者はより大型で真鍮色光沢が強く体毛の大部分は黄金色である。 |
分布 |
タイプ産地は岡山県上斎原村で、東京、岐阜、愛知、三重、京都、奈良、兵庫から知られる。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市乙訓地区)の東山泉涌寺からの雌1例のみ。
◎近似種との比較
低山地に見られ採集個体も少なく不明な点が多い。 |
生態的特性 |
この属では幼虫は土壌中に棲息し、特に腐葉土を好み食植性で湿地帯に多い。 |
生息地の現状 |
歴史的な環境保全地域なので、このままの状態で維持されるなら安定であろう。 |
その他 |
日本固有種 |