選定理由 |
瑞穂町の質志鍾乳洞がタイプ産地。故吉井良三により1939年に質志鍾乳洞で発見され、1951年に上野俊一により命名記載された。日本で最も古くから知られている洞窟性昆虫の一つである。 |
形態 |
体長5.2〜6.1mm。体は淡赤褐色で、複眼は退化し痕跡を残すのみ。上翅の第3条と5条に、それぞれ2本ずつの剛毛をそなえる。体の基本構造はルリケイメクラチビゴミムシに似るが、前半部が小さい。オス交尾器中央片は薄くて長く、先端部が上反する。 |
分布 |
京都府、兵庫県(篠山市北部)。
◎府内の分布区域
瑞穂町の質志鍾乳洞、質志の小穴、榎洞、及び周辺の地下浅層。 |
生態的特性 |
鍾乳洞内の湿った場所、及び渓流沿いの地下浅層に生息する。 |
生息地の現状 |
質志鍾乳洞は総延長約50m、高低差25mの小規模な石灰洞である。1993年頃から観光開発が行われ入洞は容易になったが、本種を含む洞窟生物の生息にはあまり良好な環境とはいえなくなった。 |
生存に対する脅威 |
鍾乳洞内の乾燥化や、外界の動植物の侵入。 |
必要な保全対策 |
洞床に舗装などを施さず、自然のままに保存すること。 |
その他 |
日本固有種 |