選定理由 |
九州地方以北では激減しており、府内での最近の記録もほとんどないため。 |
形態 |
前翅長8〜14mmの小型のシジミチョウ。オスの翅表は紫色がかった青藍色、メスの翅表は黒色だが、春と秋にはメスの前翅表基部にも弱い青藍色斑がある。裏面は灰白色〜暗灰白色で、小黒斑が散らばっている。
◎近似種との区別
ヤマトシジミと似るが、裏面の黒色斑紋の位置や形で区別できる。 |
分布 |
本州(関東地方以西)・四国・九州・淡路島・隠岐・対馬・南西諸島などに分布するが、南西諸島以外では近年激減している。
◎府内の分布区域
北部地域(福知山市)や南部地域(京都市など)から記録があるが、最近の記録はほとんどない。
◎近似種との比較
ヤマトシジミは府内全域に分布し、普通に見られる。 |
生態的特性 |
多化性で春から秋まで数回世代を繰り返す。生息地は食草のミヤコグサなどが生える草地で、成虫もその近くに見られる。幼虫で越冬する。 |
生息地の現状 |
主要な生息地であった河川周辺の草地の環境が、変わってしまったところが多い。 |
生存に対する脅威 |
本種が急激に衰亡した原因は特定されていないが、幼虫の食草であるミヤコグサなどが生える草地が減少したことが主要な原因の一つと考えられる。 |
必要な保全対策 |
最近はほとんど記録されていないので、確実に発生が続いている産地の再発見に努める必要がある。もし、そのような産地が見つかったら、本種の生息に適した環境を維持するための施策を速やかに行う必要がある。 |