選定理由 |
京都市右京区花園が本種のタイプ産地であるが、府内では極めて採集しづらい種の一つになっている。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(III)[保育社、1985]、第3図版、図1を参照。日本産同属他種とはずば抜けて大型の体形により一見して区別できる。例えば、飯田(1941)は京都市東山よりムツボシタマムシの死骸を報告したが、翅鞘長12mmと記述したお蔭で、後に黒澤(1970)はこれを本種であろうと考証した。 |
分布 |
本州、四国、九州、対馬に局所的に分布。
◎府内の記録
タイプ標本は九州大学に保管されており、データは次のとおり。京都市右京区花園、2.vi.1917. 鈴木元次郎・採集。
府内の標本で実検しえたものは次の2例にすぎない。京都市左京区岩倉、18.vii.1967. 山本・採集(岸井尚・所蔵)。京都府左京区岩倉、15.vi.1986. 芦田久・採集、所蔵。 |
生態的特性 |
クヌギ、カシなどを食樹とするため、いわゆる里山環境の減少とともに本種も稀となった。 |
生存に対する脅威 |
上述のように、都市市街地の膨張にともなって、かつまたスギの植林による薪炭林の衰退で過去の記録地も再記録が困難になっていると思われる。 |
必要な保全対策 |
広葉樹を主とするいわゆる里山の回復を図れば、目的は達せられよう。 |
その他 |
日本固有種 |