選定理由 |
原記載を含め従来確実な産地は不明であった。Picの記載した材料が花園昆虫研究所経由のものであるとすれば、タイプ産地は京都であった可能性もある。府内の確実な標本は宇治市木幡池で採集されたもののみ。 |
形態 |
中根猛彦(1972)、昆虫と自然、7(8):16. 図13を参照。
日本産同属他種と比較して、大型(体長:6〜11mm)のため、容易に区別が可能。甲虫としては非常に脆弱で、触角、肢など破損しやすく完全な標本の作成が難しい。 |
分布 |
本州に局所的に分布。
◎府内の分布区域
宇治市木幡池にて採集された標本のデータは次のとおり。宇治市木幡池、1ex.,2.v.1995. 10exs.,4.v.1995. 1ex.,10.v.1997. 4exs.,5.v.1998.50exs.,1.v.2000. 9exs.,11.v.2001. 水野弘造・採集。 |
生態的特性 |
稀種のため詳細な生態報告はない。木幡池では5月初めの短期間、成虫の発生が見られ、潅木の生葉などを叩いて得られる。 |
生存に対する脅威 |
ここ数年間採集された個体数は少なくないが、木幡池の自然環境は悪化の一途をたどっており(周辺高層住宅の建設、下水処理施設の拡張工事、地下鉄延長工事)、数年ならずして自然植生が破壊され、本種の生存も絶望となる懸念がある。 |
必要な保全対策 |
都市化に伴う木幡池周辺の環境悪化は行政上やむを得ぬことであろうが、池の中の自然植生の保護は必要ならば法制化のもとに可能であろう。 |
その他 |
日本固有種 |