選定理由 |
巨椋池から記載された種。現在はほぼ確実に絶滅したと思われる。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(II)[保育社]37 図版No.7を参照。体長6mm、清流にすむ。翅端会合部が突出する種(オナガミズスマシ)があり、オナガミズスマシ属が作られたが、本種などでは翅端はあまり突出しない。頭部前半のしわ状部は弱くて細かく、小点刻をやや密に装う。 |
分布 |
本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
巨椋池(タイプ産地)。 |
生態的特性 |
水生甲虫。本科の甲虫は主として水面で活動し、そのため、空中を見る目と、水中を見る目、それぞれ1対ずつという不思議な体制を持っている。 |
生息地の現状 |
巨椋池は干拓されてなくなり、往時の環境はまったく残っていない。 |
生存に対する脅威 |
池、沼は各地に稀でないが、本種はもちろん、他のミズスマシ類もまったく見ることがなくなった。農薬のせいと簡単に言われるが、陸上と異なって水相は一様・単純であるために、農薬だけでなく他のいろいろな物質による水環境の汚染が広範で、昆虫のみならず、水圏の生物はいずれも多大な被害を受けている。最近の内分泌擾乱物質の発見も水生生物でわかったことである。 |
必要な保全対策 |
安全な水環境を取り戻すことは単なる昆虫の保全だけのことでなく、現在ヒトが生き残るための最も切実な条件であろう。 |
その他 |
日本固有種 |