選定理由 |
府内では稀。本種は海岸砂地に生息するのが普通であるが、府南部内陸平地に生息するのは、縄文海進期に分布を広げた本種が海退期に取り残され、河川環境に辛うじて適応したのであり、特に重要である。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(II)[保育社、1985]、第12図版、図6を参照。体長が30mm以上にもなる大型種のため、同属他種とは直ちに区別できる。 |
分布 |
本州、四国、九州、東南アジア広域に分布。
◎府内の分布区域
網野町琴引浜、亀岡市、八幡市などで記録されている。 |
生態的特性 |
多産地では海岸砂地に穴を掘り、生活することが知られるが、府内では稀なため灯火に飛来したことが報告されているに過ぎない。 |
生息地の現状 |
本種はオサムシ科でも屈指の大型種であるため、産していれば報告が必ずあると思われるが、府内における記録が少ないのは、好適な生息環境に恵まれていないものと思われる。 |
生存に対する脅威 |
自然海岸、自然河川環境の減少が直接的な脅威となる。また河川や海岸砂地へのバイク、自動車(RV)などの乗り入れによる破壊行為も護岸工事と同じく本種の生存への脅威である。 |
必要な保全対策 |
自然海岸、自然河川環境の保全に尽きる。 |