選定理由 |
府内では標高の高い落葉広葉樹林帯で局所的に確認されるのみ。生息密度が低く、すでに現認できない生息地も出てきている。 |
形態 |
殻は殻頂へ次第に先細りとなる蛹形で殻口が比較的大きく、成貝の殻高約35mm、殻径約15mm。殻色は紫を帯びた赤褐色。大形・濃色の北陸から山陰の地域集団を亜種エチゴキセルガイモドキとする見解もある。同属の準絶滅危惧種キセルガイモドキや要注目種フトキセルガイモドキは螺塔が殻頂部で急に細まり、殻口が比較的小さい。 |
分布 |
北海道から山陰まで主として日本海側に分布し、大型の「エチゴキセルガイモドキ」は新潟県から島根県にかけて見られる。府内では、いわゆる「京都北山」(京都市・乙訓地域東北部(京都市左京区)から中部地域東部(美山町)の山地)の原生林からわずかに確認されている。 |
生態的特性 |
本州では、日本海側のブナ林に代表される自然度の高い落葉広葉樹林で確認されることが多く、ブナなど特定の広葉樹の樹幹を生息微環境としている。 |
生息地の現状 |
府内の分布域は限定されており、既知の生息地のひとつ鞍馬山では近年、まったく生息が確認されていない。滋賀県境のブナ林ではわずかに生息するが、密度は低い。 |
生存に対する脅威 |
樹木の伐採や林道の設置などによる生息環境の改変。 |
必要な保全対策 |
既知の生息地の現状改変は極力避けるべきで、同様の環境を持つ地域の改変事業の際にも本種の生息を確認することが求められる。 |
その他 |
日本固有種 |